ﾖﾝｼﾞｭｳｲﾁ ページ41
THｻｲﾄﾞ
観念したのか、
Aはぱたっと抵抗を止めた。
その隙に医者はデスクの事前に準備されていた注射器を首元に刺して一時的に眠らせた。
全体重が僕の身体に掛かる。
改めてどれほど軽いかを気付かされる。
Dr.「キムテヒョンさん、こちらの担架にAさんを乗せて下さい。
また、落ち着いて意識を取り戻した頃に連絡させていただきます。」
TH「わかりました、この番号と事務所以外には連絡しないでください。」
Dr.「わかりました。やはり芸能人でしたか」
整ってらっしゃいますもんね、と悲しい顔で医者が微笑んだ。
TH「…Aのことよろしくお願いします。」
そのまま病院を出てマネヒョンと合流した。
マネヒョンの運転で宿舎に戻り、玄関の扉を開く。
TH「ただいま帰りました〜」
JM「あっ！お前！自分の仕事を押し付けやがって！今度の外食絶対に奢れよ！！」
今日は午前に短時間の僕個人の雑誌撮影があった。
でも、短い時間だとしても
どうしてもAのことを優先したくて今日オフだった僕の親友に代理をしてもらったんだ。
JM「それで、いつもちゃんと仕事は真面目にするテヒョンア。
なんで今日は仕事に行けなかったの？」
こんな時、僕は親友を前にして嘘がつけない。
演技派ともありがたいことに呼ばれる僕でも嘘がつけない相手はいる。
TH「友達が急に倒れたから病院まで付き添いしたんだ。そのまま診察も一緒に聞くことになって、ここまで来て仕事で抜けるのは__」
JM「漢としてあかん！！！！！
いや、テヒョンア、ええ判断やと思うわ…
友達を裏切るやつは未来の女神に裏切られるわ！」
ごめん…嘘はついてないけどなんか後ろめたいや…
そんな標準語を忘れてまで熱くなってるけど…
Aじゃなきゃそんなのやらないもん…
TH「うん。放っておかなかったんだ。
でもジミナには悪いことしたし今度のレッドカーペットの後のご飯は僕が奢るから何がいいか考えててよ」
やった！何にしようかな〜！アメリカのソウルフードがいいな〜なんて嬉しそうにしてスマホをいじり始める。
ありがとう、僕の親友。
きっと気付いてるのに気付かないフリしてくれて。
JMｻｲﾄﾞ
全く世話の掛かる親友だよ。
最早弟でもいいよね笑
わかってるよ。
ただの友達が倒れたんじゃないんでしょ？
誰かはわからないけど、
僕は味方だからね！
ファイティン！
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作者名：炭水化物天国 | 作成日時：2019年11月13日 21時
