パリコレ捨ててアイドル目指しました (ページ34)

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ｻﾝｼﾞｭｳﾖﾝページ34

つくづく自分は未熟者だと感じる。

評価の後のTXTさんへのレッスンも思考回路は全く別の場所へ飛んでしまっていた。

気づいたらまたレッスン室に一人。

そもそも芸能界は私の肌に合わないのか。

もしくは、一生嫌われる人材でいろとの神からの暗示なのか。

廊下から他の練習生達のはしゃぐ声が聞こえてきた。

リラオンニから一言を思い出し、咄嗟に身を隠した。

非公開練習生。

この立ち位置は本当に期待されているから？

胃がぎゅうと絞られたように感じる。

思い出すと最後に食べたのは昨日の丁度12時間程前。

通りで体が悲鳴を上げるわけだ。

何か摂取しようと自販機へ向かい、商品の陳列された棚を見る。

ふと、違和感に自分の腹部と足元辺りを見る。

腹が横に何段かに分かれてぶくぶくと膨らむ。

太ももの隙間がするすると消えていき、むちむちとした贅肉が横幅を広げ、遂には膝の骨は見えなくなった。

時間をかけて作った細い足首と脹脛はただの寸胴となり、

私は太った。

太った？？？？？？？？？？？？？？？？？

昨日何も考えずに食事をした自分を死ぬほど恨んだ。

もう何も食べたくはない。飲みたくない。

取り込む酸素は更に私の体を醜くしているように感じた。

痛まないように伸ばした髪もむしりたかった。

苦しくて熱い気持ちを放出したくて、
一気に息を吐き出せるように声の出る限り叫んだ。

苦しくても息だけは吸いたくなかった

？「A____

Aちゃん！！！！！！！」

遠くで私の名前を呼ぶ声がした。

ふと見上げると自販機の棚は赤く染まっており、

私の両拳と顔面がやけに痛んだ。

そんな中でもかけられた声はやけに私を落ち着かせた。

全てを任せたかった

私は静かに意識を深い夜に落とした。