パリコレ捨ててアイドル目指しました

ﾆｼﾞｭｳｷｭｳ ページ29

TXTさんの最新カムバ曲を再生する。


爽やかな曲調がコンセプトにマッチしていて、一人一人の魅力がグループを支えている。

大きな移動でも位置が乱れることなく、TXTさんならではの魅力が存分に発揮されている。

最低限の人数でも迫力は大人数のアイドルに劣らない。また、五人だからこその構成が人気を得ているとわかる。



『こんな風に周りを見て移動したことも、周りの音を意識した発声も、周りと合わせた動きもしたことがないから私はいらないと言われたのかもしれない。』



次に、BTSさんの最新カムバ曲を再生する。


始まりから引き込まれる大胆不敵な表情。
頂上に君臨する圧倒的な実力は考える隙を与えない。

パフォーマンス力が高いためか、どの角度からでも油断した表情が一つも見えなかった。

『PDさんは私に魅力があるからだと言っているけれど、私の空白感が浮き彫りにされているような気がする。』


特に、






何故







何故私は目が離せないのだろうか






不意に唇を舌でなぞる仕草も





片方の二重が引き立てるエスニックな表情





曲の強弱を軽く顔と体の動きでつける天才的な即興





全部が私の何かを掻き立てる。









テテさんは私が欲しいものを全て持ち合わせている。

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