パリコレ捨ててアイドル目指しました (ページ21)

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ﾆｼﾞｭｳｲﾁページ21

まだまだVさんは止まらない。

TH「すごいなんか、お箸って韓国でも中国でも日本でも使えるでしょ？しかも、物を掴めるし、米粒も掴めて、麺も掴める。なんなら手首を動かすだけで物は混ざるし、尖ってるから物も刺せるし、なんでもできるじゃん！Aさんもなんでもできるように見えて、お箸みたいだと思ったんだ！それだけ！

あっ！あと！

僕のことはテテって呼んでよ！
僕はAちゃんのことAちゃんって呼ぶね！あっもう呼んじゃったや！ﾋﾋﾋｯ！」

嵐みたいな人だ。
今までの表情ではビジュアルが整いすぎている為か冷徹な人かと思ったが、口を四角にして笑う顔は人間味溢れていて、

昨日、私が私に出したサイレンは間違っていなかったと確信する。

「わかりました。テテさん、よろしくお願いします。

それでは皆さん、練習を再開しましょう、あと一時間程で今日の分は終わりますのでそのまま日本語の勉強に移りましょう。」

ジンさんがぶつぶつ文句を言い、
ナムさんは魂の抜けた表情で立ち上がったが、
とりあえず無視してノンレム睡眠に入りそうなユンギさんの肩を全力で揺すり起こした。

流石トップアイドル__
ものの二時間で他人の技を自分のものにしている。
それだけでなく、自分だけのアクセントをつけて、BTSらしさ、さらに、メンバー内の役割に合わせて全員に少しずつ差がある。

ジンさんは自分の顔に視線が向くように顎の引きの角度を変えながらキメ顔で歩く。

ユンギさんは首からのラインの細さを惜しみなく魅せるように敢えて顎を上げて上からの目線で真顔で歩く。

ホビさんは満面の笑みで今にもステップを踏みそうなメインダンサーならではの軽い足取りでポップに歩く。

ナムさんは柔らかいえくぼの空いた笑みとは対照的なカジュアルな歩き方でギャップを出して紳士的に歩く。

ジミンさんは目を細めてにっこりとしたらら真顔に戻り、しなやかさを生かして体のラインが浮き彫りになるように足を交差させて歩く。

テテさんは普段の四次元さを感じさせない絵画や洋画のワンシーンのような艶かしい表情で誰よりも間を意識してゆったりと歩く。時折唇を舐める癖は絶妙で策士に思えてくる。

グクさんは誰よりも吸収が早く、爽やかな笑みに歩きながら口元や首元に手を寄せて自分の魅力を惜しみなく魅せるように歩く。

七人もいて、打ち合わせもなしでこんなにも違う歩き方ができる事からわかる絆の深さは鮮やかだった。