ジャイアン系天使

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「ハニ〜！！！！」



大声で叫んでも、返事は無い。



「Aさん！今人手が足りないの！手伝って貰えない！？」



先生、タイミング悪すぎだよ。係りの人達、そんな目で見ないで。



「先生、私Aさんと仕事してきます〜！」



このポニーテールには見覚えがあった。



それもそのはず。ついさっきまで、ハニに抱きついていた張本人がここにいるのだから。



…………



「…あの、ここ倉庫ですよね？倉庫で仕事なんてありますか？私、急いでるんです」

「…気に入らないのよ」



その目は、今まで向けられたどんな言葉よりも、今までされたどんな事よりも、怖かった。



「ジョンハン君は、あなたには似合わない。二人三脚は、私が代わりに出てあげる」



背中を押されたかと思えば、倉庫の扉が閉まりガチャリと鍵の閉まる音が聞こえた。



閉じ込められた…？



「今日一日、そこで昼寝でもしてたら？じゃあね、Aさん」



腕時計を見ると、今は11:30。二人三脚まであと1時間半もある。ケータイはカバンの中にあるから連絡は取れない。



まだ、何も伝えてない。



好きって言える距離に居たのに、どうしてずっと言わなかったの。ずっと一緒にいれるなんて、そんな事有り得ないのに。



止まっていたはずの涙が流れ出す。




その後も、誰かが倉庫に来る事は無かった。

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