ジャイアン系天使

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もう12:40。あと20分しかない。



どうにかして、ここから出ないと間に合わない。



「A！！どこだ！！！！いたら返事しろ！！！！」



……ハニ？



私を探しに来てくれたの？



嬉しさで、涙が止まらないのに頬は緩む。



何とかして気付いてもらわないと。



夢中で扉を叩くと、扉越しにハニの声が聞こえた。



「A、ここだな！？ちょっと扉から離れてろ、今出してやるから！」



言われた通り、扉から離れると少ししてからハニが鍵を壊して勢いよく扉を開けてくれた。



安心したのと嬉しさとで泣きながら床に座り込むと、ハニが駆け寄ってきた。涙で顔がよく見えない。



「A…！！」



気付けば、ハニの腕の中にいて。ハニの腕は苦しくなるほど強く回されていた。



「ハニ……怖っかっ、た……」

「ごめん、俺のせいで。泣くなよ。俺、お前の笑った顔が一番好きなんだから」



涙を拭われ、ハニと目が合う。



「A、俺は最初から遊びなんかじゃない。本気でAが好きだ」



それ、私の台詞だよ。



そう思ったら笑えてきて、ふっと笑いが漏れる。



「何笑ってんだよ〜、俺、本気で言ってんだぞ〜？」

「ハニ、あのね、聞いて」



私が、ずっと、言いたかった言葉。



深呼吸をして、言葉を探す。



「私も、ハニが好き。大好き」



「じゃあ、Aは俺のものだからな、今この瞬間からお前は俺の彼女なんだからな」



うん、と言うとまた抱きしめられる。ハニの耳が少し赤いから、照れてるんだな。


「あーーーーーっ！！！！」



幸せに浸っている中、大声をあげてしまいハニが眉間に皺を寄せる。



「何だよ、今良い雰囲気だったのに」

「二人三脚！！今行けばまだ間に合う！行くよ！！！」



えー、と呟くハニの腕を掴んで、



二人で走った。

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