fake……偽物彼女【TH】② (ページ8)

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58 聞いてしまった【NY】ページ8

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「好きだよ。どんなに甘いお菓子よりも、Aちゃんが好きだ。」

『……っ…』

聞いてしまった、ジミン先輩の本音。聞いてはいけないとわかってても、身体はそこから動かなくて、足は石になったみたいでその場から立ち去らなくてはいけないのに身体は言うことを一切聞いてはくれない。

ジミン先輩はAを好きという事実。それでも、ジミン先輩は2人を結ばせようとした。私にも声をかけて協力して欲しいと必死に頼んできて、「親友のためにお願い！力を貸してもらいたいんだ」と何度も頭を下げられて私は協力した。

先輩がそんなことを思ってたなんて気づかなかった。でも、今思えば今までの行動が分かるかもしれない。

テヒョン先輩とAが食べてる屋上や空き教室に足を運んで3人で食べてたこと。

テヒョン先輩とAが2人で食べてた時は、悲しそうに教室の外から2人を見ている所を見てしまったこともある。

それはきっとジミン先輩自身も好きだからだったんだ。親友が心配だからそばにいるっていうのは嘘じゃ無いかもしれない。でも、それと同様にAに会いたいと言う気持ちも持っていたと思う。

どんな気持ちで2人を傍で見てたんだろう。あんなにも近くで

なのに、私が見てる限り先輩は笑ってた。ずっと笑顔で時にテヒョン先輩を叱ってた時なんかもあった。

Aはジミン先輩の気持ち気づいてるのだろうか。テヒョン先輩の気持ちにも気付いてるのが怪しいAのことだから、気づいてないかもしれない。

私は誰の恋を応援するべきなんだろう。

ジミン先輩の足音がこっちに来る。ここから立ち去らなくては行けない。今度は足は簡単に動いて、私は教室に向かって走った。

ジミン先輩にバレないように

　