fake……偽物彼女【TH】② (ページ7)

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57 僕を許して【JM】ページ7

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『僕が知ってるのは、2人が別れたことだけ』

『テヒョンからは何も聞いてないし、今日は来てない。カトクも未読で帰ってこないし、正直僕も困ってる』

僕がそう話すのをじっと静かに目を伏せて聞いている女の子。ナヨンちゃん
責任を感じてるに違いない、その顔は僕と同じだ。

NY「テヒョン先輩はAのこと好きなんですよね？」

「一応確認ですけど」と前置きした上でそう聞いてきた。好きだと思うよ。僕は
でも、今のテヒョンから僕は何も聞いてないから

『どうだろうね……笑』

そんなことしか言えない。僕の答えに、少しだけショックを受ける顔をするナヨンちゃん。

NY「そうですか……これでいいんでしょうか。2人は」

『……僕は…何も言えないよ。2人のことだもんね』

NY「…………私がしたことは、迷惑だったんですかね」

その言葉は僕に言ってる？それとも、自分自身に問いかけてるのか分からず、僕はそれには答えなかった。

NY「………………戻りますね。ありがとうございました。」

僕の答えがほしかったのか分からないけど、悲しそうな顔をして僕の前から早歩きで去っていった。

その後ろ姿は、すごく弱々しくていつかのテヒョンみたいだと思った。いつだったかな。あっ……そうだ。好きな子が出来たんだって嬉しそうにしていたテヒョンが初めて男の子といる好きな子───Aちゃんを見たときか。

テヒョンアは今何してるんだろう。
スマホを見てもテヒョンからのカトクは何も無いし、何度も電話しても繋がらない。

あーどうすればいいの。

僕だって、僕だって………………

親友だから背中を押したってのに
本当は僕があの日の図書室に行きたかったのに

親友が好きになる前から、僕は好きなのに、親友があんなにも愛しそうに見つめるから

僕は……あの日親友を送り出したのに

本当に付き合っちゃえば良かったのに

なんで別れるの。何があったの。

僕は逃げて親友の君を支える側に回ったのに

手放さないでよ。付き合ってくれたら、僕のこと気持ちもやっと消えるかと思ってたのに

消えるどころか、大きくなってしまったじゃないか、

『好きだよ。どんなに甘いお菓子よりも、Aちゃんが好きだ。』

親友の君を見守ると決めたのに、僕は今裏切ろうとしてる。そんな僕を許して