fake……偽物彼女【TH】② (ページ5)

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55 痛み【TH】ページ5

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『…はぁ……』

鈍器で殴られたような頭の痛みと鉄の重りを全身につけられているかのように重い体を起き上がらせる。怠くてやる気が何も出てこない。出てくるのは溜息ばかり。

昨日は別れ話をして空き教室で泣いてたらジミナがいつの間にか僕の前にいた。その時気づいた。お昼にここに来てジミナがいると気づいた時はもう放課後で4時半をさしている時計があった。

授業をサボったのは初めてだから、大目に見てもらえるだろう。まぁ、怒られてもそんな気にしないけど。今の僕には先生の怒りとか耐えられそうだ。なんて呑気に考えてヘラヘラ笑ってれば、ジミンが泣きそうな顔して僕を見てた。

ジミンと一緒に帰ってる時もジミンは何も言っては来なかったし、聞いても来なかった。ジミンのことだから、責任を感じてるに違いない。僕らはずっと一緒にいるし、ジミンが僕の考えてることが分かるなら、僕もそれは同じでジミンが何を考えてるのか位大抵わかる。

責任感じることなんてないのに。だって僕が勝手に偽物の彼女になってなんて言ってこんなことになったのに、嫌な顔をしててもずっと僕にアドバイスをしてくれたり、一緒に悩んでくれたり、相談にのってくれたり、僕が話せたのもジミンがいたから。

全てはジミンのおかげ。

『……あぁ…いたい…』

体が痛いのか僕の心臓が痛いのか分からないけど、キシキシ音を立てて痛むこれはなに。

ベッドから起き上がったはいいものの、そこから腰をあげることも足を踏み出すこともできない。スマホを手に取って時間を見てみれば、7時37分と表示されていて、ジミンからのカトクもあった。

完全に遅刻。そもそも行く気もなかったし、問題は無い。ジニヒョンが連絡を入れてくれてるかもしれないし。昨日帰ってきた僕の異変をすぐに察知して、ジニヒョンが僕をベッドまで運んでくれた。

僕が何があったかなんて話してはいないけど、きっとバレてるんだろうな。ジニヒョンはこういう時の鋭さはナムジュニヒョンの軽く142倍くらいだと思う。

ジニヒョンに話したら怒られるだろうな。なんで別れたんだって……

でも、僕にはそれしか選択がなかった。グク君だっけ。あの子さ、Aのこと好きだよね。僕を見る目でピーンと来たんだ。

　

Aもグク君の方がいいでしょ。
僕より仲がいいし、僕よりAを知ってるから

　