fake……偽物彼女【TH】② (ページ35)

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85 冷たい目【JK】ページ35

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『話ってなんですか…』

「気づいてるくせに……」

僕の前にたつ男は嫌味たっぷりの貼り付けた笑顔を見せてそういった。僕を呼び出しておいて、話を始めないでこのやり取りが続く。不毛な会話とはこのことか、内心苛立っているのを顔に出さないようにもう一度問いかける。

『気づいてないので、教えてくれませんか？僕を呼んだわけを』

「じゃ、言うけど。今君はAちゃんと付き合いたいって思ってるの？好きとは聞いたけど、それを聞いてなかったって朝思ってさ」

『……そんなの決まっ』

「決まってる？」

『…………』

「嘘でしょ。迷ってるでしょ……テヒョンアの朝の行動みて」

『……そんなことな

「ある」

……そんなことない。』

「なんで血迷うの？敵が1人去ったんだよ。テヒョンアのことだからなんかあるんだろうけど、そんなの気にしてたら付き合えないでしょ」

冷たい眼差しで感情が読み取れないその顔で僕の心に語りかけてくる男。

もといパク・ジミン先輩

この先輩が言うことは間違ってはいない。僕にとっちゃ今はチャンス。大きな敵が去ったんだから。Aと先輩が別れた時よりも今はAの瞳に入ることは容易になっていることに変わりはない。

じゃあなぜ僕は躊躇ってるのか。ジミン先輩が言うように、テヒョン先輩のこの行動は何かしら理由があるのは自分でもわかってる。

JM「……付き合う気なんかないなら、余計な行動しないでほしいんだよね」

『…え、？それはどういう』

JM「…………」

『…………』

静かに僕に近づいて耳元で呟いた声は小さかったが、十分僕の耳にはしっかり届いた。

"2人をくっつけようとか"

"馬鹿な行動するなってこと"

そう呟いた先輩は僕の横を通り過ぎて、屋上から去っていった。近づいて来た時の先輩の顔は、幸せそうにスイーツを食べてた先輩とは別人のようで、一瞬息をし忘れた。

『……僕はどうしたいんだろう』

僕の言葉は、突如吹いた秋風に掻き消された

　