fake……偽物彼女【TH】② (ページ31)

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81 進んだ歯車ページ31

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───────9月18日

起きたら胸騒ぎがして、いつもよりも大分早い時間に家を出て学校に着いた。1番乗りだったらしく、来た時は誰もいなかったから、ちょっとした優越感が芽生えて、教卓にたって、先生の真似をして一人授業をしてみた。

やっててだんだんと1人って寂しいなって思って、授業を終わらせようと思ったら、勢いよくドアが開いた。

『……！あっ､どうしたの？ナヨン』

NY「ﾊｧ…どうしたって…ﾊｧﾊｧ……聞いちゃ……たんだけど、さぁ……」

『……落ち着いて話して笑、ほらお茶』

NY「大丈夫……聞いて。ﾊｧ先輩が付き合ったって」

『うん？先輩って誰のこと？』

NY「……テ…ヒョン……先輩が」

『…………は？』

NY「は？ってなったのは私もだよ……朝登校中に女子の先輩達が話してるの聞いちゃってさ､詳しく聞かせてくださいって言ったら教えてくれて」

『…………』

もしかして、その相手って先輩が好きだった人とか？別れる時に言ってた相手かな……。その人に彼女がいることを見せたかったって私に言ったけど……それは嘘で本当はその人と付き合いたかったからとか、？

NY「……A？」

そうだよね。先輩だって好きな人がいるし、今は好きじゃないなんて言ってなかったし。

NY「……A！聞いてる？」

やっぱり私は偽物のまんまだった。本物にはなれない。

NY「ちょっと。A」

失恋……かな。心にぽっかり穴が空いたみたいで、すごく胸が痛い。なのに、涙は出てこないし、逆に目が乾いてきてる気もする。

NY「もう！Aってば！！」

『っ！なに……』

NY「まだ正しい情報かは分からないから。あとさ。聞きたいことがあるの」

『……なに？』

NY「Aは先輩のこと好きなの？」

『私は……』

そこまで言ったところで、ドアが開いてクラスメイトが何人か入ってきた。

NY「……お昼に確認しに行く？」

私が答えなくてもナヨンはわかってるみたいだ。

『……行く。ナヨンと一緒に』

NY「……おけ。もしあれだったら、泣いてもいいからね……？」

そう言って、ナヨンは自分の胸を叩いた。ナヨンの胸で泣けってことかな？笑

　