fake……偽物彼女【TH】② (ページ29)

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79【JM】ページ29

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登校してきて教室を見渡せば、久しぶりに見るテヒョンアが席にいた。何度もカトクや連絡をしてたけど、結局帰ってくることはなかった。学校に来たことは安心したけど、僕が挨拶をしてもテヒョンからは挨拶は帰ってこないし、目すら合わなかった。

席が僕達は前後だから、いつもなら授業中でも振り向いて話したり、遊んだりするのに今日は何も無い。プリントを回すときでさえ、僕の方は向かずどこか遠くを見ていた。

なんだか他人のような顔見知りでさえない関係になってしまったみたいで、涙が零れそうだった。泣かないように、必死で耐えてたけど、心の中はもう大洪水状態で気が緩んだら一気に流れ出してしまう。

お昼休みちゃんとテヒョンアと話さないとって思って、振り向いたら席にはいなくて、知ってそうな人に聞いたら「鐘がなったらすぐにどっかに行ったよ」と言われて明らかに僕を避けてると分かった。

テヒョンアと行ってた空き教室に向かおうかと思ったが、もしそこにテヒョンアが居たら行きづらいと思って、向きを変えて普段通らない廊下を進む。1番端に位置するこの教室は鍵が掛かってると聞いていたが、後ろのドアは掛かってなくてそのままその教室に居座った。

これからどうしよう…なんて考えてたら、ドアが開く音がして、見てみればグク君がいて、いかにも邪魔だから帰れオーラを僕に向かって放ってる。でも、ここ以外僕が行くところもないから僕はここにいさせてもらった。

どうやらグク君は僕のことがきらいらしい。だから、僕もきらいと言ったら、驚いた顔して目を丸くしてた。なかなか可愛い顔するんだなって思った。

グク君と話しててわかったのは、グク君も今僕と同じ状態にいるということ。告白して保留にして、そこから進展も何も無い状態。

勝ち目あるかな､なんてライバルに聞くものじゃないのに口が勝手に動いてそんなことを口にしていた。

JK「…………僕はわからないです。そんなこと」

『そっかぁ……』

それもそうだよね。僕だって分からないし、グク君に分かるわけないもんね。

本当にどうしよう。

恋と友情って両方は選べないものかな

　

もしどちらかを選べって言われたら、僕は──────────。

　