fake……偽物彼女【TH】② (ページ11)

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61先輩の好きな人ページ11

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ジミン先輩が握る自分の手に熱が集まるのがいやでもわかる。多分自分の顔も赤くなってるのかもなんて思って、先輩とは逆へ顔をグリンと回す。

それを許しさないとでも言うのか、ジミン先輩のもう一方の手が私の顔に添えられて私は強制的に先輩の方を向く。

『……っ、』

JM「僕の好きな人がAちゃんだって言ったら、どうする？」

先輩が私を好き？そんなわけない。そんな素振り見せてなかったし、第一テヒョン先輩が偽物の彼女に私をしたことを止めるでしょ､それなら。

『どうもしません……だって…先輩は私のこと好きではないですよね？』

JM「根拠は、？」

『それは……偽物だったとしても…………テヒョン先輩と付き合ってたのに、私を好きなわけがないから』

JM「……重要なこと忘れてるよ。僕が好きな子は僕の友達も好きなんだってこと」

先輩の友達が好きな人……、ジミン先輩の友達なんて私が知ってるのは

『……テヒョン先輩しか知らないですよ』

JM「……そうだね」

『……なら、ジミン先輩は私のことは好きではないですね。テヒョン先輩は私のこと好きじゃないですから』

あぁ……自分でこうやって口にすると胸が痛くなる。テヒョン先輩の名前を口にするだけで、喉の奥がキューってしまる。

JM「……友達の話は忘れて。僕の好きな人について話させて」

そう言って私の顔と手からジミン先輩は手を離して、再びカップケーキを手にして口を運んでいる。食べ終わったジミン先輩はくるりと私の方を向いて目を見て言った。

JM「僕は友達を裏切る最低なやつなの。」

『……先輩？』

JM「僕の好きな人はね……僕のことなんか全然見てくれないし、知ろうともしてくれないの。僕の隣の友達ばかり目で追ってるの。その子はね、僕には及ばないけど甘いものが好きで、ふわっと笑ってて偽物の彼女を演じてた。そして今は悲しんでる。そんな彼女を僕は好きなんだ。」

『…………ぇ』

JM「裏切ってでも言わせて。僕はAちゃんが好きなんだ。」

JM「甘いものよりもAちゃんを食べてしまいたい……って思うくらい、僕は君に惹かれてるんだ」

思わぬ先輩からの告白……
心做しか先輩の目が光った気がした。
その涙は私の知らない友達に対しての涙だろうか

　