ファースト・ラブ (ページ38)

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後ろから鈍器で殴られた気分だった。

ドンッ、と頭に衝撃が加えられ大吾くんとの思い出が走馬灯のようにフラッシュバッグしてきた。昔に見た夢も同じく思い出した。

「単刀直入に聞くけど、付き合ってるの？」

記事をパッ、と目を通したら手を繋いでるところなどは撮られてなく、一緒に映画を見て家に入ったとの事だった。これなら嘘ついても行ける。

「付き合ってないです。仲のいい友達です。」

嘘は良くないけど嘘しか思いつかなかった。ホントのことをいえば別れさせられる。

「じゃあ、これは何？」と社長が言うと、マネージャーがバックの中から次は小さめの茶封筒を出して来た。開くと写真が40枚近く入っていて、1枚1枚に目を通した。

それはつい先日、彼が東京に来た写真だけではなく、去年の秋、東京に来て私の家に入っていく彼の写真。手を繋いで東京の家に入ってく2人の写真、15年、大阪の家に手を繋いで入ってく写真。そんなのが40枚も入っていた。

「まだ、これからなの分かってる？」

「別れたくないです、、、」

自分でも聞こえないぐらい小さく震えた声だった。

「今回は記事は条件を飲んでくれれば出ない。」

「条件ってなんですか、、？」

条件なんて分かりきっていた。

「別れなさい」

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