ファースト・ラブ (ページ28)

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大阪から東京に帰るのも迫っていた。2ヶ月間、仕事に行く彼を見て思ったことがある。ジャニーズ"Jr".の仕事量はすごかった。舞台の練習、レッスンにバライティ番組の撮影。Jrと付いてこんなに忙しいならデビューしたら相当すごいだろう。だけど彼は疲れたような顔をひとつも見せずに家でも私の好きな笑顔を見せる。その笑顔が大好きで堪らないけれど、その反面不安になる。家で十分に休んで欲しい。それが私の願いだった。

そんなことを考えつつも、私は彼との日々は幸せで、朝起き、彼を見送り、彼を迎える。そして、一緒に寝て、時々スる。そんな平凡な日常を2ヶ月間過ごしてきた。外のデートはあれ以来行ってないし、家でふたりで入れることが幸せだった。

東京に帰っても、直ぐに彼が東京に仕事で来る。だから少しの辛抱。
だけど、LINEしてたまに電話する日々かと思うと心が寂しくなる。たったの１ヶ月だけなのに。前まではこれが日常だったのに。

あまりに自分勝手な自分に嫌気がさす。

「東京いつ来るんだっけ、？」

駅で見送られると帰りたく無くなると言う理由で家出バイバイすることにした。いつもは私が見送ってたから見送られるのが新鮮で。

「んー、すぐ行くと思うで」

約2ヶ月間過ごしたソファにふたりで座り手を繋ぐ。

「仕事頑張ってね」

「Aもな」

これが一生続けばいい。
あの時見た夢はただちょっとリアルだっただけ。夢が正夢になることなんてない。

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