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女の先輩は、静かにジノ先輩を見ている。
ジノ「俺さ、誰とでも話すけど
性格悪いやつとか嫌いなやつとはあんまり話したくないんだよね。」
はっきりと、ジノ先輩は言った。
さっきまで怒鳴り声をあげていたはずの女の先輩も、開いた口が塞がらない。
そんな先輩を無視してジノ先輩はさらに言葉を続ける。
ジノ「あと、なに?Aが俺に近づいて色目つかってるって?
それ勘違いだから。
俺がAに近づいてんの、自分の意思でAを特別扱いしてんの。
男子って、好きな子にはそんなもんだよ。」
「⋯え?」
『⋯は?』
先輩は半分涙目になっている。
『⋯っ!もういい!』
先輩と追う取り巻きの先輩達はどこかへ走っていってしまった。
そして、残された私達。
・
・
「あ、あの⋯助けてくれてありがとうございます」
私はぺこりと頭をさげた。
すると、ジノ先輩は申し訳なさそうな顔をした。
ジノ「来るの遅くなってごめん」
「いえ、そんなことないですよ⋯
先輩が来てくれてなかったら今頃なにされてたかわかりませんし。
ジノ先輩、かっこよかったです。」
私は微笑んでそう言った。
すると、ジノ先輩はいつもの笑顔になった。
すると、先輩は
あ、そうだ
と言って時間を確認する。
ジノ「もうこんな時間。
どっか寄ってご飯でも食べていかない?
今日は俺が奢るよ。」
「え、いいんですか?
でも申し訳ないですし⋯」
ジノ「いーの!たまには先輩ヅラさせて?」
ほら行こう、と私の腕を引くジノ先輩。
それについていく私。
「あ、さっきの特別扱いとか好きな子とか詳しく聞かせてほしいんですけど⋯」
私がそう言うと先輩は歩く足を止めて私に向き直った。
ジノ「だめ、忘れて⋯
ほんと恥ずかしい、穴があったら埋まりたい。」
「え〜ダメですか?」
私が顔を覗かせると、
先輩は顔を赤くしていた。
ジノ「⋯っ!ダメ!
ほら、早く行くよ!!」
そう行ってまた歩き出すジノ先輩。
先程の男らしさとはうってかわって、
今は可愛らしくてかっこいい
いつもの先輩だ。
たぶん、このギャップもたくさんの女子が先輩に惚れる原因のひとつだろう。
私もその一人だって、今は内緒だけど。
その赤くなった先輩の頬は
夕日のせいか、
それとも⋯?
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ヨカ(プロフ) - りーさん» ありがとうございます!お話ができしだい書かせていただきます!(^^) (2019年5月17日 18時) (レス) id: 9fbabffe0a (このIDを非表示/違反報告)
りー(プロフ) - 更新ありがとうございます! リクエスト受け付けて下さるなんて……素敵です! 取り合いされるお話が読んでみたいです! (2019年5月17日 18時) (レス) id: 371fdf5cab (このIDを非表示/違反報告)
ヨカ(プロフ) - mikadoさん» そうなんですよー!!ありがとうございます!!勉強もおたがい頑張りましょう(o^^o) (2019年5月14日 13時) (レス) id: 9fbabffe0a (このIDを非表示/違反報告)
mikado(プロフ) - 受験生だったんですか!?毎日更新お疲れ様です…私も受験生で占がツク書いてますがヨカさん程しっかりとした小説かけてませんし更新も亀過ぎて…尊敬します。無理しない程度に頑張って下さい〜楽しみにしてます! (2019年5月11日 22時) (レス) id: 3b03e9c822 (このIDを非表示/違反報告)
ヨカ(プロフ) - ジンホさん» 自信になります本当に嬉しいですありがとうございます(;_;)ぜひまたリクエストしてください!(o^^o)自 (2019年5月11日 11時) (レス) id: 9fbabffe0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨカ | 作成日時:2019年5月3日 0時