#222 ページ36
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向日葵の上に降り注ぐ雪が
ゆっくりとその黄色に落ちてゆく。
窪「前に…、横浜でAちゃんが
泣きながら言ってくれたでしょ？
"寂しくて寂しくて泣きじゃくって、
干からびてしまったらどうする" って」
『マサくんが東京へ帰る前日の…』
窪「うん、そう」
あの日…、確かに言った。
そしたらマサくん、
"干からびる前に俺が水になる" って
そう言ってくれたんだ。
窪「Aちゃんの笑顔は
本当に向日葵みたいで…
花火大会のとき着てきてくれた
あの向日葵柄の浴衣も、本当にすごく
よく似合っていて、素敵だった。
多分、この先 ずっと
あの日のことは忘れない。
年を取っても…、忘れたくない」
私も、と同調しようとマサくんの方を向いたら
長い前髪から覗く目があまりにも真剣で
思わず言葉を飲んでしまった。
窪「俺は… Aちゃんの未来を
明るく照らしていられる存在でありたい」
『…。』
窪「Aちゃんが想像してる未来に
どうか俺の存在があって欲しい」
まるで… 私の心の中が
このスノードームのように
透けて見えてるんじゃないかと思うくらい
マサくんの言葉が真っ直ぐに届く。
私が今日 "マサくんは私の光だ" と
確信したことが彼自身の言葉で
どんどん具体化していく。
きっと奥さんのカフェのこと、
マサくんもたくさん考えて悩んで…
私が今 出そうとしている答えを
もう理解してくれているんだ。
窪「それから…、この曲の歌詞の言葉が全部
Aちゃんに届いて欲しくて」
『えっ？』
窪「 "ひまわりに積もる雪 僕が解かすよ"」
柔らかい声で…、優しい声で
マサくんがオルゴールに合わせて
流れた音色の最後の部分を歌った。
その声があまりにも甘くて、かっこよくて、
ダウンライトを浴びる整った横顔に
私は思わず手を伸ばす。
『マサくん』
私の右手がマサくんの左頬に触れたとき
ちょうど、オルゴールが止まって
部屋がしん…、と静かになった。
窪「ん？」
口角をあげて微笑むマサくんの頬を
親指で何度かなぞった後、私は決心する。
今夜ずっと… ずっと考えていたことを
遂に口にした。
今…、伝えたい。
きっと、思っていることも
考えていることも、想像している未来も
お互いに同じだと思えるから。
『…私、東京に来たい。
東京に来て、あのお店を守りたい。
マサくんと…、一緒にいたい』
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おじょう(プロフ) - こなすさん★ご無沙汰しています。お身体の調子は大丈夫でしょうか？久しぶりに逢いにきてしまいました(*^^*) (2019年5月22日 19時) (
レス) id: 1c4a6319b1 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - はじめまして。一気に作品を読ませていただきました。とてもとても素敵な作品で心が温かくなりました。作者さんの人柄だったり経験だったりが前面に溢れ出る素敵な作品なのだろうなと思いました。この作品に出会えて本当に良かったです。ありがとうございました！ (2018年11月25日 23時) (レス) id: 7cdfb99ab3 (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - 中3のわかなです。！実は私2ヶ月前に肺がんのステージ4と診断され、病院に入院しています。治る見込みは少ないと言われ落ち込んでいた私を元気にしてくれたのはkonasuさんのこの小説でした。本当に感謝しています。konasuさんも病気と闘いながら頑張ってください！ (2018年9月18日 1時) (レス) id: 7ee2ac1e66 (このIDを非表示/違反報告)
ポメ - こなすさんお疲れ様でした；；この作品が終わっちゃうのが少し悲しいですが、とても面白かったです！。素敵な作品をありがとうございました！ (2018年8月14日 10時) (レス) id: e76e17932f (このIDを非表示/違反報告)
おじょう(プロフ) - こなすさん、お疲れ様でした！！そして、本当に沢山の癒しと感動と愛をありがとうございました★完結嬉しいけど、やっぱり寂しいです(笑)こなすさん大好きです★★★ (2018年8月10日 12時) (レス) id: aece03adca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ko*nasu | 作成日時：2017年7月13日 1時
