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このモニタリングに
タイトルをつけるとしたら…
【もしも人気俳優・窪田正孝が
クリスマスにカフェでバイトしていたら
気づく? 気づかない?】
うん、これですね(笑)
私がお客さんだったら
すぐにでも気づける自信あるけどなぁ。
ニヤニヤしながら追加注文の品を作っていると
珈琲のおかわりを提供し終えたマサくんが
再び厨房に戻ってきた。
窪「何でニヤニヤしてるの?(笑)」
『あ…、バレました?(笑)
なんだか "モニタリング" みたいだな、って…
思ってたんです』
窪「え〜っと…、TBSの?」
『そうです! お客さんたち、
カフェ店員に扮したマサくんに気づくかな〜って
見てたんですけど… 全然気づきませんね』
窪「ん〜、そうだね(笑)」
洗い終わっていたグラスを手に取って
水滴をクロスで丁寧に拭きながら
マサくんがフロアを見つめる。
窪「きっと…、"目の前の愛する人" に
みんな夢中なんだと思うよ。
正面に座る大切な存在しか見えてない。
それって本当に素敵なことだよね」
『…なるほど』
恋は盲目…ってことか。
人は恋をすると周囲が見えなくなる。
例え目の前に "窪田正孝" がいても
誰も気づかないんだな。
窪「まぁ…、そんな俺は
いつでもAちゃんに夢中だけど」
『う…///』
冗談なのか本気なのか。
さらっとドサクサに紛れて
そういうことを言っちゃうマサくん。
でも真っ直ぐ私に届いたその澄んだ声は
嘘なんてついてないことが
よく伝わってきた。
窪「そうだ…、さっきお客さんに
珈琲を持って行って気づいたんだけど」
『はい?』
窪「Aちゃんの淹れた珈琲って
琥珀色してるんだね」
あの色の珈琲は初めて見た、と
尊敬の眼差しを向けてくれるマサくん。
あれ? 珈琲、飲めないはずなのに…
丁寧に入れた色、分かるんだ。
窪「あのテーブルのカップルも
あそこの男性も…、みんな "美味しい" って
幸せそうに飲んでいて…
Aちゃん、さすがだな〜って」
『いやいや私なんてまだまだですよ…
でも、心を込めて淹れた甲斐があります』
窪「その心遣いが伝わってるんだよ。
俺なんにもしてないのに、さっき
お客さんの前で嬉しくなっちゃったからね(笑)」
『ふふふ(笑)』
窪「あ…、でもさ」
マサくんが急に声のトーンを下げて
真剣な顔で私の目を見た。
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おじょう(プロフ) - こなすさん★ご無沙汰しています。お身体の調子は大丈夫でしょうか?久しぶりに逢いにきてしまいました(*^^*) (2019年5月22日 19時) (レス) id: 1c4a6319b1 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - はじめまして。一気に作品を読ませていただきました。とてもとても素敵な作品で心が温かくなりました。作者さんの人柄だったり経験だったりが前面に溢れ出る素敵な作品なのだろうなと思いました。この作品に出会えて本当に良かったです。ありがとうございました! (2018年11月25日 23時) (レス) id: 7cdfb99ab3 (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - 中3のわかなです。!実は私2ヶ月前に肺がんのステージ4と診断され、病院に入院しています。治る見込みは少ないと言われ落ち込んでいた私を元気にしてくれたのはkonasuさんのこの小説でした。本当に感謝しています。konasuさんも病気と闘いながら頑張ってください! (2018年9月18日 1時) (レス) id: 7ee2ac1e66 (このIDを非表示/違反報告)
ポメ - こなすさんお疲れ様でした;;この作品が終わっちゃうのが少し悲しいですが、とても面白かったです!。素敵な作品をありがとうございました! (2018年8月14日 10時) (レス) id: e76e17932f (このIDを非表示/違反報告)
おじょう(プロフ) - こなすさん、お疲れ様でした!!そして、本当に沢山の癒しと感動と愛をありがとうございました★完結嬉しいけど、やっぱり寂しいです(笑)こなすさん大好きです★★★ (2018年8月10日 12時) (レス) id: aece03adca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ko*nasu | 作成日時:2017年7月13日 1時