マーマレードプリン【オレンジ】

＊大丈夫 ページ26

「ご馳走様でした」



丸山さんに美味しいラーメンを奢ってもらった。



A「なんだかすいません。」



丸山「何で謝んの？？俺が誘ったんやし。



それに昨日お世話になったし。気にせんといて。」



店の裏にタクシーが停まってて、



丸山さんとタクシーの後部座席に座って



ウチの近所のコンビニまで乗せてもらうことに。



駅前の交差点の信号が赤になった。



丸山「あ、あれ…」



丸山さんの視線の先には、



反対側の歩道を歩くコウジロウの姿。



横には腰に手を回してべったりくっついて歩く派手な女の人。



丸山「あ、ちゃうな。似てるけど人違いやわ。」



丸山さんは気を使って笑ってごまかしてる。



A「……本人ですよ。」



丸山さんの笑顔が一瞬にして固まった。



A「大丈夫です。慣れてるんで。」



本当は慣れてないし、大丈夫じゃない。



けど、強がらないとやってけない。



丸山「……大丈夫ちゃうやん。」



無意識に震えていた私の手を



大きな手でさりげなく優しく包み込む。



丸山「運転手さん、すいません。



3丁目の太陽ビルに変えてもらえますか？？」



運転手「はい。かしこまりました。」



丸山「Aちゃん、悪いけど



もうちょっと俺に付き合って？？」



私は優しい手を振り解く事ができなくて、



ただ小さく頷いた。

○太陽ビル→←○ほっこり

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