マーマレードプリン【オレンジ】

＊なんで？ ページ13

「…そんならさ。ウチおいでや。」



話しやすい人やし、悪い人には見えない。



「あの、そのぉ。いやらしい意味じゃなくてな？」



……けど、初対面の若いイケメン男子。



「ここで寝るんやったら、俺んちまぁまぁ広いし



こっから近いし…。俺、ソファで寝るし。



信用できへんかったら、女の子の友達呼ぶし…」



なんかやたら必死に弁解してるみたいに見える。



「てか、俺さ。



下手な事したら、事務所の人が黙ってないから



下手な事できへんて言うかする気もないねん！！」



単純に私の事を心配してるから言ってくれてるんやろうなぁって思う。



けど、見ず知らずの人の家に泊まる勇気はない。



A「お気持ちだけで充分です。



ありがとうございます。でも、大丈夫なんで」



そうやんなぁ〜って苦笑いして



気まずくなったのか、部屋を出て行ったイケメンさん。



背中がちょっと寂しげでなんだか悪いことした気分になった。




寝る準備をして携帯のアラームを予約しようと思ったら、



『産れた』って30分前に彼からメールが届いていた。



私は急いで上着を羽織り、伝票を持って



カラオケの精算した。



エレベーターのボタンを押して



到着したエレベーターが開くと…



顔が傷だらけで項垂れてるイケメンさんが倒れていた。

○大丈夫やない→←○理解できへん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す