金爆カフェ (ページ6)

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1(淳さんとの話ページ6

「クシュン、寒っ…」

そういってポケットに手を入れる。
今は12月。
空気が冷たく乾燥している。

空は晴れているのに季節のせいか、何だか気持ちは沈んでいた。

淳はさもざもしそうにしながら事務所へ向かう足を早めた。

淳「おはよーございます…。」

豊「ん。おはよ。」

淳「あれ、今日は早いね。それにいつも以上に静か」

そう言うと、豊は黙ったまま翔を指差した。

淳「あぁ、作業中…。」

作業中は仕事の時間になるか、その作業が終わるか、全員の支度がすみリハーサルをやることになるまでほとんど喋らないし、話し掛けるなどはマネージャーだけ。

別に彼にそうしてほしい、などと頼まれたわけではないがまるで暗黙のルールのように皆に浸透していた。

淳はメイクを済ませ、空いた時間雑誌を読むつもりでいたが何だか気分が乗らなかった。

ふと窓の外を見る。
さっきまで晴れていたのが嘘のように空が雲で多い尽くされ、今にでも雨が降りそうだった。

案の定、雨がザァー…と音をたてて降りだし、ゴロゴロと雷までなりだした。

いつもは怖いと感じる雷も、何故か今日は怖さを感じず、淳はずっと窓越しに外を眺めていた。

ガチャっとドアの開く音がして、窓からドアの方に目をやる。
研二だろうと思っていた淳は目を丸くした。

Tマネージャーの後ろに1人、見慣れない人がいる。

豊が翔の肩を軽くポンポンとたたくと、最初は迷惑そうにしていた翔も状況を把握しすぐに作業をやめた。

「この子、まだこの仕事に入ったばかりでうちで慣らすことになったから、じゃ軽く挨拶だけしてください」

「えっと、マネージャー歴0年で、こちらで学ばさせて頂く事になりました。蒼井 Aと申します！精一杯頑張りますので宜しくお願いします！」

淳「どうも」

豊「マジすか、ババァより若い女の子！あ、宜しくお願いします」

「おい、お前なんつった」

豊「な、何でもないです」

翔「えっと、宜しく、お願いします？」

豊「何で疑問系」

翔「お願いします…。」

研二「はぁー！間に合った！あれ？この子誰？俺部屋間違えた？」

翔「いや、あってる」

淳「何かマネージャーの見習いって言うか研修みたいな感じの方なんだって」

研二「あーなるほど」

A「蒼井 Aと申します！宜しくお願いします！」

研二「あーどうもどうも、こちらこそね、宜しくね？」

翔「疑問系？」

豊「お前が言うなよw」

A「へ…？淳君…？」