私のご近所さん。３(紫) (ページ9)

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No.52 ページ9

見慣れた風景に、ホッとし歩く速度が

　少し速まる

　『今何時なんだろう』

　携帯ないから時間わかんないし、

　連絡取れないし、

　携帯ないと不便〜

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　もう少しで家だっ！って時、

　タタタタッ

　後ろから足音が聞こえてきた

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　最初は気にしてなかったけど、私の方に

　向かってる気がして。

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　怖いかも、昨日の夜この近くで

　なんか犯罪関係あったみたいだし、

　犯人逃げてるみたいだし、

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　なんかどんどん近づいてきてない？

　怖い怖い怖い怖い怖い怖い

　はや歩きから小走りに、小走りから走りに

　でも、追いかけてくる人は男性なのか

　走っても走っても距離が詰まる気がする

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　『わっ』

　ふいに掴まれた腕、そのまま抱きとめられる

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　「なんで逃げんねん」

　息が少しあがっていて、掠れた声

　でもわかる、愛おしい声

　『信五くん？』

　「全然帰ってこんし、連絡つけへんし」

　『携帯、バイト先に忘れちゃって』

　「、、なんも、なかったよな？」

.

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　『大丈夫、信五くんのお陰で』

　「アホ」

　もうホンマに心配して損したわ

　無事でよかった

　「帰ろっか」

　