��.後悔 ページ5
織姫side
「痛ってえッ!!!!」
「ちくしょー何だよあの野郎!危うくケガするとこだったじゃねえか!!くッそいってー!!」
門が閉まってしまった。
でも、閉まる直前に来たあの子は…
「知り合いか?」
「夜一さん」
「彼女は…その…」
確信が持てない。だって、あの子は…Aちゃんは、四ヶ月前に死んだはずで…
「巴A。彼女は、ちゃんと巴だったよ。君の見たものは間違いじゃない」
「石田くん!」
石田くんも、見えていたんだ。
「そうか…まあ、残念ながら、市丸といた時点で敵だと思った方がよい」
「そう…ですよね…」
夜一さんの言った通り、彼女は市丸ギンという人の行動を止めようとはしなかった。
仲間にはなれない…それなら、せめて、もう一度、お話したい
「夜一さん、もし、機会があれば、Aちゃんとお話させてもらえませんか」
「儂は構わぬが、あやつが攻撃を仕掛けて来る可能性もあるぞ」
「…それでも、やっぱり、もう一度、あの時の続きを聞きたいんです」
「続き?」
「四ヶ月前…Aちゃんが死ぬ直前、私に言おうとした言葉の続きを…」
「!!」
Aちゃんが殺される日の昼、Aちゃんと河川敷で空を眺めていた。その時、彼女は何かを言いかけた
でも、すぐに口を閉じてしまった。どんなに頼んでも、最後は寂しそうに笑って、続きを教えてはくれなかった
そしたら、何故か私はそれが納得できなくて。たくさんひどいことを言って、Aちゃんを置いて河川敷を後にした
そして、次の日の朝、テレビで河川敷で彼女が何者かに殺された報せを耳にした
後悔してる。あの時、彼女を一人にしたこと。きっと、Aちゃんは怒ってる。
謝りたい。
謝って、また、友達に戻りたい…
「そう言えば、君と巴くんは仲が良かったな」
「えへへ…そうなの…仲良くなれたのは、ほんの少しの間だったんだけど…」
「待て」
「へ?」
「今…おぬし、四ヶ月前と言ったか?」
「は、はい…」
夜一さんの顔色が変わる。猫だから変わらないとかそんなんじゃなくて、慌てているのが感じ取れた
「それがどうかしたんですか、夜一さん」
「…織姫、おぬしの友達とやらは、本当に巴Aで間違い無いのか?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青 | 作成日時：2021年3月8日 22時
