��.誤算 ページ4
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「そろそろ近付いてもいいか」
ギンが敗れた兜舟坊にとどめを刺そうとしている。正直、そこまでする必要もないけど、止める理由もない
ただ、このままだと旅禍にも要らぬ危害が加わりそうに見える。
「ギン」
「大丈夫。殺しはせえへん」
「新しい敵か…!?」
「あやつは、五番隊三席巴A…!!」
「夜一さん!あの女は強えのか!?」
「少なくともお主よりはな!」
あの黒猫は、元二番隊隊長四楓院夜一…
なるほど、彼等がここまですんなりやって来れたのは、夜一さんと浦原喜助のおかげってわけ。
「ともえ…?」
その時、聞き覚えのある声がした。
「A…ちゃん?」
見覚えのある顔。
飴色の髪色、花の髪飾り、優しい目、
どうして、
「どうして」
「射殺せ、『神鎗』」
ギンの刀が伸びて、黒崎少年と兜舟坊が外へ押し出される。支えを失った門はあっという間に外と中を遮断した
「…A」
「あれ、君の知り合い?」
「…ただのクラスメイトだよ」
「少なくとも、あっちの反応はそうは見えへんかったけどなァ」
「…私を疑ってるんだ」
「まさか!君のことは信用しかしてへんで」
「ただ、不確定要素は明らかにしたいタチなんや」
ギンの鋭い眼が、これは冗談ではないと悟っている。言い逃れはできない
そもそも、言い逃れするほどのことでもないが。
「…現世で朽木ルキアを見張ってたとき、彼女が入学する予定の高校に入学したことがある。その方が、黒崎一護も見張れて一石二鳥だったから」
「ついでに、私たちの脅威になりそうな不穏分子がいたら殺せと藍染隊長に言われた」
「…」
「…けど、彼女のクラスメイトは皆馬鹿で無能だった。織姫は、その馬鹿で無能なクラスメイトの一人」
「…疑って悪かったわ。堪忍な」
「もうすぐ緊急隊首会が開かれる。さっさと行ったら?」
「そやな。ほな、また後で」
ギンが瞬歩で消える。
とりあえず、疑いは晴らせただろう
ただ、誤算だった。彼女がこっちに来るなんて。
…いや、作戦に支障は出ない。私はいつも通り自分の任務を遂行すればいい。
〆
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作者名：青 | 作成日時：2021年3月8日 22時
