6_グウゼン▪ト▪ヒツゼン ページ6
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探偵社を訪れたあの日から数日後、
私は普通にヨコハマで買い物をしていた。
すると、うずまきと小さく刺繍されたエプロンが落ちていた。
何故、エプロンを落とすのかを責めるのは辞めた。
「__社に戻ったらうずまきに行こっか!鏡花ちゃん」
耳に自然と入ってきた声、
『ちょいと其処のお主さん。わちきにもうずまきへ連れていってくだしゃんせ?』
「えっ!!」
彼の腕をぐいっと引っ張って引き寄せる。
『此れにうずまきと書いてありんしてお届けしなくてはなりんせんの』
「ああ!そう言うことですか、勿論良いですよ!」
鏡花ちゃんも良い?と聞く彼の後ろに少し不服そうな女の子が居る。
『悪なんし、恋人さんに付きまとってしやんりんして』
「私達は恋人じゃない。私が嫌なのは貴方が覚えていないからやな気分になっただけ」
覚えていないから、……?彼女の言動からして私と彼らは逢ったことがあるのだとわかる。
『もしかして、探偵社の子達でありんして?』
「は、はい!僕、中島敦と言います。此方は泉鏡花ちゃんです。」
其れでは彼女を知っていても不思議ではないであろう。ついこの間探偵社に伺ったのは
彼女だから。
『やっぱりそうでありんしたの。わっちの方こそ失礼なことを……』
「いいんです!お気に為さらず!」
うずまきまでは敦と鏡花と他愛も無い話をしていた。
「今日も可憐で美しい!是非とも私と心中してほしいものだ。」
「お断りしますね」
少し年期が入っているものの未々美しい店内に入ると直ぐお邪魔虫が見えた。
なるべく気にしないようにして手を握られている女性に声をかける。
『すみんせん、此れ落ちいんしてありんすが…』
「はい?………わあ!ありがとうございます!」
『次は無くさないよう気を付けてくだしゃんせ』
此処まで連れてきてくれた敦と鏡花に改めてお礼を言ってそのまま立ち去ろうとしたが、
「私の逢引のお誘いを邪魔するだけして帰るなんて」
「不粋過ぎないかい?」
腕を捕まれた。
否、貴方凄い勢いで拒まれてたけれど…?
『やあッ…わっち怖ぁい』
「……………………君、いつもはそんなキャラじゃ無いでしょ」
ぐいっと体を引き寄せられ
「乱歩さんがお呼びだ。」
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7_マネデハ▪ナイ▪クライ→←5_ウツクシイ▪キミノ▪トナリデ
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あっぴー - あっ…好きです!おもしろいです! (2月18日 23時) (レス) @page13 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
アディショナル(プロフ) - とってもおもしろいです!異能力は雷電将軍かな?頑張ってください! (2月9日 23時) (レス) id: c16c35d125 (このIDを非表示/違反報告)
ふらんふらん(プロフ) - とてもとてもべりーべりー最高です。夢主様の口調やら乱歩さんと太宰さんとの関係とか諸々好きです。とても尊敬です。 (2月3日 23時) (レス) @page8 id: 13e4982fef (このIDを非表示/違反報告)
すあ - とてもおもしろいです! (1月25日 15時) (レス) @page5 id: b296360cb1 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - 夢主ちゃんの使ってる言葉からして、めっちゃ好きです。がんばって下さい! (1月15日 13時) (レス) @page3 id: b34111cf4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:糸町 | 作成日時:2024年1月8日 21時