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2_オカネ▪デ▪ギロン ページ2

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 探偵社内にピリピリと緊張が走る。
 

 その原因は


 
 探偵社の威厳ある社長、福沢諭吉と
 容姿が美しすぎる謎の女、火蕨魅緑。


 その二人によるものだ。

 





 「火蕨令嬢……申し訳ない話なのだか、」

 『経費が足りんでござらん?ならもう三億増やしなんしょう』




 今の彼女は三億なんてはした金でしかない。


 探偵社は昔かお金が困っており、良く私が投資をしていた。其れは今でも続いている。
 武装探偵社は銃なり修理費などお金が何かと掛かるが幸いに私はお金は腐る程ある。






 「否、そうではなくて」

 『わっちもお金はいりんせんので貰ってくんなんし。どうせ乱歩が経費を使うでありんしょう』




 そういうと困った顔をして、


 「なんでも乱歩が火蕨令嬢を呼んでほしいと言ってな、」







 当の本人がいないのに来客を呼ぶのは彼女に対して凄く無礼であるので福沢は申し訳無いと
 思っているし困っているようだ。





 『成程……わっちに此処で待てと、』

 「待つ必要はないよ!!」






 いきなりバンッと扉が開いたかと思うと、凄く大きな声でそう叫ぶ。手に御菓子を抱えているので
 彼女を待たせてるのを知りながら自分は呑気に御菓子を買っていたのだ。
 彼女は怒りのままに立ち上がり彼に近寄ると
 



 『こんのックソガキ。わちきを弄んで!用がないのに呼びなんせん。』



 そう言い頬を横に引っ張った後、髪を掻き乱す。



 「(乱歩の奴、分かっていて帽子を社に置いて出ていったな……)」
 
 


 「わあっーアハハッ!!やめろー!」

 『喜ばないでくだしゃんせ、反省しておくんなんし。』





 沢山笑った後、乱歩は私がサインすべき書類をポイッと渡してきた。
 其れに目を通しサインをしているところで




 「どう?何年か振りの初恋の男は。」



 と小さな声で言った。私は万年筆を見事に折った。




 『……好かねえことを言いなすんな。』

 「太宰を一言で言うなら?」

 『さし』
 (廓言葉で事情があって逢いたくないひとのこと。)



 私がそういうと彼は大爆笑。気分を良くしたのか私にすり寄ってくる



 すると、
 


 「私も混ぜて下さいよ。火蕨魅緑さん」
 
 『おさらばえ。』
 (さようなら。)
 




 
 コイツ覚えてて、さっきは覚えていない振りをしていたな。



 『ほんに、好きいせん。』

 「昔は私が大好きだったのにねぇ」

 『うげぇ』



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3_コッチ▪ヲ▪ムカナイ→←1_コイ▪ト▪イカリ



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あっぴー - あっ…好きです!おもしろいです! (2月18日 23時) (レス) @page13 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
アディショナル(プロフ) - とってもおもしろいです!異能力は雷電将軍かな?頑張ってください! (2月9日 23時) (レス) id: c16c35d125 (このIDを非表示/違反報告)
ふらんふらん(プロフ) - とてもとてもべりーべりー最高です。夢主様の口調やら乱歩さんと太宰さんとの関係とか諸々好きです。とても尊敬です。 (2月3日 23時) (レス) @page8 id: 13e4982fef (このIDを非表示/違反報告)
すあ - とてもおもしろいです! (1月25日 15時) (レス) @page5 id: b296360cb1 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺 - 夢主ちゃんの使ってる言葉からして、めっちゃ好きです。がんばって下さい! (1月15日 13時) (レス) @page3 id: b34111cf4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:糸町 | 作成日時:2024年1月8日 21時

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