【佐野万次郎】幻の副総長

バーベキュー ページ6

Aside







「あ、やっと来た」

『あれ？ミッチー？』

「早くしないと肉全部パーに食われるぞ」







バイクに揺られること数十分。街から一番近い浜辺に到着すると、そこには創立メンバーとマイキーの妹であるエマがバーベキューの準備をして待っていた。







『今日何か特別な日？』

「いや？昨日マイキーが勝手に決めた」

『私知らされてないけど』

「連絡したけどお前返信ねぇからマイキーに迎えに行って貰ったんだよ」







確かに、私は昨日の夜から一度も携帯を見ていない。そう思った私は、パタンと携帯の蓋を開け中身を確認する。すると、そこにはいくつかの着信メールが届いていた。







『ごめん見てなかった』

「朝も漫画読んでたもんね」

『少女漫画舐めんな』

「とりあえず食えよ」

『とりあえずって何だ人の話を聞け』







ケンちゃんから焼けたお肉を頂くと、隣からエマが「私にもお肉取って！」とお願いしていた。何でリア充(仮)に挟まれてんだ私。勘弁してくれ。


スススーっと移動して先日ラーメンを食べに行ったバジリンの横に立つ。







「お前、野菜もちゃんと食ってるか？」

『バーベキューに野菜って必要ですか？』

「肉ばっか食ってたら太んぞ」







バジリンを海までぶん投げた私は、次にミッチーとパーちんの隣に立つ。少し離れたところから、バジリンを指さして笑うマイキーの声が聞こえる。







「お前、カッとなると直ぐぶん投げるの辞めろよ」

『今のはアイツが悪い。女子には禁句だもんね』

「A、こっちの肉うめぇぞ」

『パーちんは流石に肉食いすぎだろ』

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