所詮夢なのだから ページ25
【2005年8月3日】
Aside
今日は武蔵祭りの日。私は祭りに行く時間まで、扇風機の前で“あー”と遊んでいたり、漫画を読んでいたのだが、いつの間にか眠りに着いていた。それが、バジリンと約束をした一時間前の出来事だった。
「やっほー、また会ったね」
『…』
「やっぱり夢で話しても、目が覚めたら忘れちゃうよね。所詮夢なんだし」
そう言う未来の私は、残念そうに笑った。けど、私はここに来て、彼女と話した内容を全て思い出したのだった。
『ねぇ、ケンちゃんはいつ死ぬの?』
「…八月三日。武蔵祭りのある日によ」
『…は?それって』
「今日。あと数時間と言った所かな」
私は思わず彼女の胸ぐらを掴む。彼女は目の色を変えずに無表情のまま私を見る。
『早くここから出して!私はケンちゃんの所に行かなきゃ!』
「夢から覚めても、覚えてるとは限らないでしょ」
『でも、じゃあ何であの時っ!』
________「…アンタが、皆を救ってあげて」
何で、あんな事を言ったのだろう。
「…夢が覚めるよ」
『え?』
「いい?場所は駐車場。裏のね。…ケンちゃんのこと、お願い」
・
『っ、』
目を覚まして携帯で時間を確認すると、バジリンとの約束の時間をとうに過ぎていた。メールにはいくつか着信があったが、きっとバジリンからだろう。外からはザーザーと雨の音が聞こえくる。そういえば雨が降るって天気予報で言ってた気がする。けどそんなことはどうでもいい。私は急いで家を出た。バイクは警察に禁止されていたが、友人の命には代えられない。私は数ヶ月ぶりにマイキーと同じバブに乗って指定された駐車場へと向かった。
1197人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひめ☆そら(プロフ) - かかさん» そう言って頂き光栄です!ありがとうございます! (2021年7月9日 13時) (レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
かか - 更新楽しみです!無理せず頑張ってください! (2021年7月9日 6時) (レス) id: b7e78c6068 (このIDを非表示/違反報告)
ひめ☆そら(プロフ) - 雪見大福さん» ありがとうございます!!無理せず頑張りたいと思います! (2021年6月6日 13時) (レス) id: f06e616829 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年6月6日 11時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ