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樹くんの運転でやってきたのは暗い山の中。とは言っても車が通るための道路もあって何台か他の車も見かけた。
どこ行くの？と聞いてみれば秘密と返された。
しばらくして車が止まった。
『 運転ありがとね 』
田中「 どーいたしまして。行こっか 」
お礼を伝えて助手席から降りると樹くんに手を差し伸べられる。その手をぎゅっと握って私たちは歩き出した。
『 …！ 』
田中「 こんなこともあろうかとアイツらから色々聞いてたんだよね 」
アイツらというのはきっとジェシーくんたちのこと。そして樹くんが連れてきてくれたのは夜景の見える展望台だった。目の前に広がる夜景に私は思わず見惚れてしまう。
周囲にはカップルがちらほら居るくらいで、暗いからきっと顔も見えないし目立つことは無いだろう。
『 私たちの住んでるマンション見えるかな？ 』
田中「 流石に見えねぇわ 」
そんな話をしながら夜景を眺めていると隣から視線を感じた。ちらっと見てみると樹くんと視線が交わる。目合ったね、と微笑む樹くんに私は思わず抱きつく
田中「 ふは、どしたの急に 」
『 樹くんのこと、大好きだなぁって 』
田中「 …俺のこと殺す気？ 」
『 なんでよ、って樹くん顔赤くない？ 』
田中「 え、こんな暗いのに見えてんの？ 」
『 だって距離近いんだもん。普通に見えるよ 』
マジか、と恥ずかしそうにしながら私の肩に顔を埋めた樹くん。ちょっとくすぐったいや。
田中「 俺も。メイが世界で一番大好き 」
『 私は宇宙一だよ 』
田中「 そこ競わなくていいから 」
なんて言って樹くんが笑うから私も釣られて笑う。
これからも樹くんとずっと一緒にいられますように。
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作者名：ひな | 作成日時：2024年3月28日 12時
