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『 樹くんっ 』
田中「 はいはい 」
おいで、と両手を広げる樹くん。緩んだ顔を隠すかのように抱きつくと背中に腕が回ってきて、まるで離さないぞとでも言うかのようにぎゅっと抱きしめられる。
田中「 それ俺が前にあげたリップ？ 」
『 そうだよ。似合ってるかな？ 』
田中「 メイは何つけてても可愛いよ 」
樹くんに抱きしめられたままふたりで見つめ合っていると何やら周りから視線を感じる。しかも中々に多くの。
京本「 俺ら完全に置いてかれてんだけど。 」
�眞蓮� 目の前で堂々とイチャついてんじゃねえぞ 」
松村「 それはともかくせめて入らせてくんない？ 」
『 ごめんなさい、！！ 』
田中「 あ、ごめん忘れてたわ 」
ジェ「 樹ったら酷いコねっ！！！ 」
どうやら私たちが入り口に居たせいで樹くんの後ろに続いていたSixTONESが楽屋に入れていなかったみたい。本当にごめんなさい、
森本「 よ！！あっぱれ！ 」
平野「 慎太郎〜！ 」
さっきよりも人数が増えたせいか騒がしくなった楽屋。それぞれの話で盛り上がっているのを私は樹くんの膝の上で眺めていた。
突然、樹くんから名前を呼ばれて振り返ると彼の唇がちょんと触れる。
田中「 顔真っ赤じゃん 」
『 っ樹くんのばか、！ 』
田中「 んは、かわい 」
今ので多分リップ取れちゃっただろうな、また塗り直さなきゃ。
この後、リーダーの優太くんにはちょっとだけ怒られちゃった。万年思春期も居るんだから気をつけろって。
…ちなみに言うと万年思春期さんは、うちのグループの漆黒さんのことです。
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作者名：ひな | 作成日時：2024年3月28日 12時
