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◎ 田中
仕事終わり。携帯を見るとメイから連絡が来ていた。話したい事って何怖いんだけど。怒らすような事したっけ。
タクシーを使って家まで帰り、メイが待つ部屋へと向かう。
『 おかえり樹くん。ご飯出来てるよ〜 』
玄関で出迎えてくれた彼女は既にご飯を作り終えて待っててくれたらしい。リビングに行くと美味しそうなふたり分ハンバーグが並んでいた。
いただきます、と手を合わせてハンバーグを口に運ぶ。やっぱメイの料理が世界一美味い。
「 なに話って 」
中々話を切り出さないメイに俺から話を持ちかけてみる。彼女は箸を止めて俯く。
『 樹くんはさ、私が他の男の子とキスしてたらどう思う…？ 』
「 なに堂々と浮気宣言してんの 」
『 っ、ドラマだから、！ 』
どうやら彼女によれば、新しく決まった主演ドラマが恋愛系だったらしい。もちろん恋愛ドラマとなれば相手俳優とのキスシーンだってある。
きっとメイは俺の事を気遣ってくれてるんだろう。
「 俺は嫌だよ 」
『 …だよねっ、ごめん変な事聞いて、 』
「 嫌だけど、メイがやりたいなら絶対やった方がいいと思う。 」
『 樹くん、 』
「 あとメイが好きなのは俺じゃん。所詮は演技なんだし俺はちゃんと信じてるから 」
さっきまで下を向いていた顔が俺の目をまっすぐに見つめる。俺の事気にして自分が本当やりたい事諦めようとじゃねえよ。
『 私頑張りたい、！！ 』
「 ん、応援してる 」
これにて一件落着……？？
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作者名：ひな | 作成日時：2024年3月28日 12時
