# 募集中らしい ページ9
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樹「 お願い!見学だけでも良いからさ! 」
後輩である私に向かって両手を合わせ、頭を下げる田中先輩。
ほんの少し前、突然田中先輩が私たちの教室にやって来た。もちろん女子達は大騒ぎ。
慎ちゃんかジェシーのどちらかを呼びに来たのだと思い、窓の外を眺めていたのだけれど彼が大声で呼んだのはふたりではなく私だった。
クラスメートから向けられた視線。このまま無視というわけにもいかないので渋々田中先輩の元へ。そして今に至る。
『 そうは言われても…ね、慎ちゃん。 』
慎「 えー良いじゃん。人足りてないらしいし 」
ジェ「 自分の事を絶対に好きにならない子をマネージャーにしたいって中々ハードル高いね 」
実は田中先輩はバスケ部所属。
顔も良くて運動も出来る、そんな先輩に少しでも近づきたくてマネージャーになったは良いものの練習がハード過ぎて付いていけなくなり、辞めてしまうという子達が多いらしい。
だけどやっぱりマネージャーが居ないと部活も思うように回せないので一名、田中先輩を絶対に好きにならないという条件で募集中らしい。
樹「 だってメイちゃん北斗しか見てないし絶対俺の事好きにならねえ自信あるもん 」
『 それは……まあそうですけど、 』
樹「 それはそれで傷つくわ 」
とりあえずこのままだとこの人帰ってくれなさそうだから、とりあえず見学には行くと言って帰ってもらうことに成功。
……ん?っていうかさっき田中先輩、私が北斗くんのこと好きみたいなこと言ってなかった?
まあ、気のせいか。
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作者名:ひな | 作成日時:2024年2月21日 12時