もどかしいふたり。 (ページ7)

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# 北斗くんと料理ページ7

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北斗「ごめん、遅くなった」

校門の近くに立っているとバタバタと近づいてくる足音ともに聞こえた北斗くんの声。

私の前に来るなり立ち止まって息を切らしている彼を見て、急いで来てくれたんだなと感じる。

北斗「それじゃ帰ろっか」

『はーい』

返事をすると北斗くんが駅までの道を歩き出したので、私も一緒になって歩く。

北斗「学校は慣れて来た？」

『うん、友達も出来たよ』

北斗「そっか。それは良かった」

北斗くんを心配させたくないが為にほんの少し嘘をついた。だって無駄な心配かけさせたくないんだもん。

途中、家の近くにあるスーパーに寄って今日の夜ご飯の買い物。なんと今日は北斗くんが私の大好きな唐揚げを作ってくれるらしい。

『私も手伝いたい！』

北斗「本当？じゃあ課題は夜ご飯の後ね」

北斗くんは本当に料理が上手で、小学生の頃からずっと私の分も作ってくれている。私は料理が少し苦手だから基本お手伝い係。

あとは北斗くんが心配性だから料理とか全くさせてくれない。唯一北斗くんが一緒にいる時だけ許可が降りてるの。

北斗「これ切ってくれる？指切らないようにね」

『わかってるよ〜』

北斗くんと一緒に居られるこの何気ない時間が、私のとっては何よりも大切なもので…だから、もしこの想いを伝えて何かが変わってしまったとしたら私はきっともう立ち直れないだろうから、

北斗くんと一緒に居られる、ただそれだけで良いの。

たとえ彼の瞳に、私が映っていなかったとしても。

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