もどかしいふたり。 (ページ14)

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# 体育祭ページ14

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慎「俺のハチマキ巻いてくんない？」

『いいよ〜500円ね』

慎「えっ、俺お金取られんの？！」

『うそうそ。冗談だよ』

季節は変わり、夏になった。

今日は体育祭の日、なんだけど運動が苦手な私にとっては地獄とも言える日。しかもよりにもよってこんな真夏日に。

テントの下で慎ちゃんのハチマキを巻いていると、こちらに向かってぞろぞろと歩いてくる集団を見つけた。その中にはハチマキを巻きながら歩く北斗くんの姿もあった。

大我「メイハチマキやってー」

優吾「自分でできんだろ」

慎「俺メイに巻いてもらったよ」

大我「は？ずる。俺もやってよ」

樹「俺が巻いてあげよっかきょも」

大我「大丈夫。ジェシーにやってもらうから」

ジェ「 HAHA…ってオレ？！」

相変わらず仲良しだなあ、とみんなの様子を眺めていると北斗くんが私の手にあったハチマキを手に取る。

どうやら巻いてくれるみたい。

樹「メイちゃん何出んの？」

『綱引きです』

樹「かあいいね」

北斗「なんでだよ」

そうこうしているうちに無事開会式を迎え、プログラムはどんどん進んでいく。

北斗くんたちは違う学年だというにも関わらず、私たちのクラスのテント下で過ごしていた。

先生たちに注意されても、全くと言って良いほど聞く耳を持たない彼ら。ごめんなさい先生。私もこの人らは手に負えないです。

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