# 幼馴染みといつもの朝。 ページ1
.
▽
朝、目が覚めるとキッチンの方から卵焼きの香りがふわっと鼻に届いた。
もう少し寝ていたい気持ちを抑えながらベッドから降りて、つい数週間前に袖を通したばかりの制服に着替える。
扉を開けると視界に飛び込んできたのは、制服姿でキッチンに立つ幼馴染みだ。
『 おはよう 』
後ろからそっと声をかけると彼はびくりと肩を跳ね上がらせ、こちらを振り返った。
「 起きてるんなら言ってよ 」
『 ちゃんと言ったよ。おはようって 』
「 いつからそんな生意気になったのよ、お前さんは。 」
『 北斗くん、いつものして 』
私がそう言うと北斗くんは「はいはい」と言いながら手慣れたように、私を抱きしめた。大好きな匂いに包まれ、思わず頬が緩む。
北斗くんはいつもこうやって私を安心させてくれるの。
お互いに両親が共働きで、ひとつ年上の彼とは小学生の頃からずっと一緒。何なら両親といた時間よりもふたりでいた時間の方が多いような気もする。
「 早く食べないと置いてくよ 」
『 え、ちょっと待ってよ…! 』
これがわたしの幼馴染みで、わたしの大切な人。
________
・高校1年生。
・北斗とはマンションの部屋が隣で幼馴染み。
・北斗の事が好きで同じ高校を目指し見事合格。
松村 北斗
・高校2年生
・メイの幼馴染み。昔からメイの事を可愛がっており、今もなお面倒を見ている。
.
523人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひな | 作成日時:2024年2月21日 12時