Fantastic girl ③ (ページ18)

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# 過去エピ① ページ18

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※ Jr.時代のお話
※岸優太くんside

▽ Kishi

俺たちのグループには、他とは違うところがあった。

それは綾瀬メイが居るということ。

メイは事務所で唯一の女性タレントとして社長から直々にスカウトを受け入所。

今まで男しか居なかった事務所に突然女の子が入所するという異例の事態に、マスコミは大騒ぎ。世間からは大きな反感を食らった。

もちろん事務所内、いやデビュー組の先輩方はどちらかと言えば可愛がってたか。

だけど俺らJr.の中ではそうもいかなかった。

俺自身、仲良くなりたいという気持ちはあったけれど周りのJr.たちの視線が気になって声を掛ける勇気なんてでなかった。

彼女と仲良くなるチャンスが現れたのはそれから数年経った頃。

俺含めJr.の7人が” ジャニーズ銀座2015 “の座長として抜擢された。その中にいたのがメイだった。

社長が出て行った後、取り残された俺ら。

話しかけようかどうしようかとウズウズしていたら、隣にいた岩橋が先に声を掛けた。

もっと早く話しかければ良かった、ひとりで後悔していると黒くて大きな瞳が俺の姿を捉えた。

突然の事に身体が動かなくなる感覚がした。

『綾瀬メイです。よろしくお願いします…！』

「えっと、岸優太です。よろしく、」

これが俺とメイが初めて交わした会話。

何だかぎこちないけれど、これも今となっては良い思い出。

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