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ある日、フレッドとジョージに呼ばれ
使われていない教室までの道のりを歩いていると
一羽の黒いフクロウが手紙を落としていった。
宛名には自分の名が書かれている。
“Aへ”
その綺麗な字を見紛うはずがなかった。
高貴な家の出身であるシリウスは
小さな頃から文字の書き方まで一つ一つ丁寧に
教わったのだろう。
学生の時も教科書の活字と見分けがつかない程の
美しい文字を書いていた。
手紙を開いてみれば相変わらず読みやすく簡潔で、
とても教養のある貴族らしい文面だった。
シリウス本人にそれを伝えれば
真っ向から否定されるだろうが。
なにせ彼は純血主義や自分が高貴であることを
何の得にも思っていないのだから。
「やっと見つけたぞ」
「遅いじゃないかAちゃん」
思いに耽ながら手紙を読んでいると
いつの間にか空き教室の近くまで来ていた。
そして双子に中まで連行される。
『手紙が来ててね、読んでたの』
Aはチラッと手紙を二人に見せると
すぐにポケットにしまった。
「誰からだ？」
「怪しい奴からじゃないだろうな？」
フレッドとジョージは首を傾げながら
彼女の様子を伺っている。
『パッドフットからよ。
今度本部に顔出さないか？だってさ』
それを聞き双子は目を輝かせたが
Aは渋っているようだった。
「「それ最高だよ！」」
「Aちゃん来たら絶対に大きな力になるよ！」
「むしろ何で今までダンブルドアは
Aちゃんを呼ばなかったんだ！！」
ダンブルドアや他の団員は彼らに
彼女の運命をどこまで伝えているのか知らないが、
騎士団のメンバー以外があの場所に行くことは
セキュリティ上問題があると危惧する。
『私、不死鳥の騎士団のメンバーじゃないのよ？
普通呼ばれても行くべきじゃないと思うの。
あそこは誰でも入れる場所じゃないし、そもそも
私が場所を把握する方が危険じゃない？
第一次大戦の時だってメンバーじゃなかったのよ。
ダンブルドアだって今いないんだし。』
熱弁する彼女に対しても二人は
聞き流しているようであまり頭に入っていない様子。
「でも前からシリウスはAちゃんを
呼ぶべきだってうるさかったぜ。」
「ただ自分が会いたいだけのような
感じもしたけどな。」
『それはまたこっちで考えるわよ！』
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作者名：maya.t | 作成日時：2021年5月17日 21時
