My Lord.7 (ページ22)

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「あらもうこんな時間？
　そろそろお暇しなくちゃね。」

マクゴナガルが席を立つ。

『いや全然！
　もう一杯いかがですか？』

何杯目かの紅茶を勧めたが年長の魔女は断った。

「それよりもあちらの方はどうなんです。」

去り際に彼女の方を向いたマクゴナガルが
たくらみ顔で話しかける。

『何がですか？』

「セブルスとのことに
　決まってるじゃありませんか。」

『かっ、』

一気に顔を赤くするAを前に
マクゴナガルはメガネの端をクイと上げた。

「いっそのこと公にできればねぇ。
　生徒にも何十回あなたたちの関係について
　聞かれたことか。」

『もちろん否定しましたよね！？』

「当たり前でしょう。
　でも、私としては応援はしていますから。
　何かあったら相談にでもいらっしゃい。」

これでも一応は結婚してましてよ、と残して
ミネルバ・マクゴナガルは部屋のドアを開けた。

『ミネルバ、ありがとう。』

「いいえこちらこそおいしいお紅茶をありがとう。
　ではまた夕食の席で。」

1人部屋に残されると、
シーンとした空気の中Aは昨晩のことを
思い出した。

彼の部屋の中、布団にくるまって話していた時。

「分かっているとは思うが、
　今後こういった時間が許されるのは僅かだ。」

彼女は黙って頷いた。

スネイプは二重スパイという重役を担っている。

どちらの会合にも、いつでも行ける準備を
していなければならない。

Aとセブルス2人の時間はおろか
1人でゆっくり眠る時間すらほとんど無いのかも
しれない。

「そしてお前は狙われている。
　絶対に誰にも我々の関係は言わないように。」

『もちろんそのつもりよ。』

そうは言ったものの寂しくて彼に擦り寄った。

ヴォルデモートからしたらスネイプはAの
見張り役とでもなっているのだろうか。

逃さぬようあちらに招き入れる手段として。

そんな中死喰人の誰かがAとスネイプの
仲を知れば一目散にボスへ伝えるだろう。

果たしてそうなれば2人への処分とは。

主に、スネイプには、、、、。

「大丈夫だ。」

彼女の抱きつく力が強まったからか
彼は優しく背を撫でた。

『私、あなたの荷物にはならないわ。
　本来の目的を忘れない。』

「お前をあちらに差し出すとなれば
　死をも覚悟するということか。」

『、、、』

「そうはさせん。」

彼は離すまいと力を入れた。