My Lord.7 (ページ3)

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『私ちょっとだけ、このまま倒れて誰にも
　助けてもらえなくて、そのまま死んでも
　いいかもって思っちゃった。』

力なくそう言う彼女に、彼は抱きしめる力を強めた。

「お前はそれでいいかもしれないが、
　我輩は困る。」

Aは彼の腕にそっと自分の手を添えた。

『今日は優しいんだね。』

「でないとお前が消えてしまいそうだから。」

さらに顔をうずめるスネイプに
彼女は表情を和らげた。

『いつもは意地悪なのに。セブルス変だよ。』

「行くぞ。こんなボロボロなくせに飛び出しおって。
　傷口が開いたかもしれん、手当が先だ。」

スネイプは彼女を横抱きにして歩き出した。

それに合わせて彼の首に手を回す彼女は
力なくその胸にもたれかかる。

普段薬品に囲まれて過ごすスネイプの服には
薬草の香りが染み付いており、
それがなんとも言えない安心感を与えた。

包まれる温もり、一定のリズムで歩く揺れ、
そして何より彼の鼓動の音が重なって
今までのピリピリとした気持ちが全て洗い流されて
いくようだった。

「疲れただろう。おやすみ。」

彼のベッドに降ろされる頃には深い眠りについてた。

スネイプは彼女の頭に巻かれた血が滲む包帯を
取り替えると自分も横になった。

額にキスを落とすと優しく抱き寄せ、
眠りに堕ちるまでの時間が許す限り
その寝顔を見つめていた。