My Lord.7 (ページ16)

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また暫く身動きも取れずに休む彼女の元に
ダンブルドアが杖を返しに来た。

「君が不在の間わしが預かっておったが
　持ち主の元に戻さんとの。」

『校長が持っていらしたんですね。
　先程マダム・ポンフリーから退院の許可が出ました。
　丁度散歩がてら探しに出ようと
　思ってたところです。』

「そうかそうか。
　久しぶりの校内に羽目を外しすぎんようにな。」

Aは相棒である杖の感触を確かめながら
簡単な呪文の練習をした。

『ルーモス、、分かってますよ校長。』

「アンブリッジ教授にも挨拶するといい。
　しかしあまり彼女を刺激せんように、
　とだけ言っておこうか。」

ーードローレス・アンブリッジ

療養中、ビンズ教授同様に(彼はゴーストなので仕方ないが)
唯一教授陣の中で見舞いに現れなかった女だ。

その時点で嫌悪感が増したが顔を合わせない
わけにはいかない。

『分かりましたよ。
　でもまず行きたいところがあるので
　用事が終わってからその教授とやらを探します。』

「まぁ探そうと思えばすぐ見つかるじゃろうし。」

『あんな全身ピンク、1キロ先からでも見分けつく。』

校長とAはニヤリと笑った。

二人の頭の中では、遠い廊下の先で豆粒みたいに動く
ピンクの塊が浮かんでいた。

机に並べられた数々の見舞いの品を
魔法で私室に送り、二人は医務室から出た。

『ではここで。ありがとうございました。』

「気をつけてな。
　何かあったらいつでもわしに言っておくれ。」

『もちろんです。』

彼女は校長と別れると東の棟に向かった。

天文台へと続く階段は登らず、さらに奥にある
古びた梯子をキシキシとさせながら登っていく。

目の前に現れたのは占い学の教室だ。

『すみません、シビルさん。
　いらっしゃいますか？』

返事がないのでもう一度ドアを叩こうとしたところ
勢いよくドアが開き中からシビル・トレローニーが
出てきた。

「あら！！何か御用？」

ボサボサの長髪をヘアバンドで分け、ギョロっとした
メガネを掛けるその姿は何とも異様な雰囲気だ。

『あの、すみません。
　先日一応フクロウで来訪の旨を伝えたのですが』

「あらそうだったかしら？
　ふふ、まぁいいわ座ってちょうだい。
　丁度カモミールティーが入りましたの。」

苦笑いで彼女に続き教室は足を踏み入れると
デスク横には未開封のフクロウ便の山が
今にも崩れ落ちそうな
ほどだった。