My Lord.6 (ページ9)

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空の上から馬車を引くアブラクサンの隊列、
湖の底からは巨大な船が顔を出した。

そこでやっと校長から教師陣に今年の催しについて
説明があった。

『そんな大事なこともっと前もって
　伝えてくださいよ！』

「これから新入生の組み分けもあるんですから！
　我々の準備が追いつきませんよ！」

噛み付くAとマクゴナガルにも動じず
ダンブルドアはこれからの日程について説明する。

細かいことはまた日を追って、とウインクする
彼の後ろから生徒が大広間にゾロゾロと入ってきた。

新学期の挨拶と一年生の組み分けを終えた所で
A、スネイプ、フリットウィックの3人は
マクゴナガルの席に集まった。

客人の出迎えや各部屋での世話など、
細かく指示する彼女に従い各教授の仕事を
振り分けしていく。

話し合いの間にもボーバトン魔法学校や
ダームストラング魔法学校の生徒たちが続々と
入場してくる。

『わぁすごーい』

トライウィザードトーナメントについて説明が
なされる中、前列の机では教師が席に着き
乾杯をして友好を深める。

Aは大きな女性、
マダムマクシームの隣に座っていた。

『ようこそホグワーツへ。
　私は魔法薬学助教授、Aと申します。』

乾杯、と腕を掲げるも到底相手の女性が持つ
ゴブレットには届きそうにない。

「よろしーくおねがいしまーす。」

マダムは彼女に興味が無いとでもいうように
乾杯も交わさずハグリッドと話し始めてしまった。

Aの左にはイゴール・カルカロフ。
彼もスネイプと何やら小声で話をしている。

『なんでいなんでい、
　皆さま団欒タイムでございますか。
　あーあ、ご飯美味しいなぁー。
　話ばっかしてて食べ損ねても知らないんだから。』

目の前に盛られたフリッター、ミートローフ、
シュークリームの山を片っ端から口に詰め込む。

食べても食べても湧き出てくる料理に負けじと
フォークを動かすも限界はすぐにやってきた。

『うぅ、食べすぎた。』

公衆の面前で机に突っ伏し寝始めてしまった彼女に
遠方からやってきた校長方はドン引き。

「疲れておったのじゃろう。
　彼女はこう見えて素晴らしい才能の持ち主での。」

「人に迷惑をかける才能だけは一流でありますな。」

聴衆の笑いの中、校長の目くばせにより命じられた
スネイプが殺気立った表情で彼女を部屋へと
運んでゆく。

生徒の黄色い悲鳴の間を通り抜けれども
びくともしない彼女に彼は深いため息を吐いた。