My Lord.6 (ページ7)

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明け方になりソファで寝落ちていると、
玄関の扉が開く音が聞こえて起きた。

バタバタと駆けて行くとそこには
いつもと変わらぬ表情の読めない彼がいた。

『お、おかえり、、。』

こちらに一瞥はしたものの
口を開くことなく奥へと入っていく。

手持ち無沙汰にリビングでおろおろとしていると
奥の部屋から戻ってきたスネイプは
まだいたのか、と冷たく発した。

「昨晩何があったかは存じているだろうに。
　一刻も早く城へ戻ろうとは思わなかったのかね。」

怒りさえも感じるその低い言葉に彼女は
体を強張らせた。

『だってあなたが心配で、』

「愚鈍にも程がある！！！」

彼はネビルに怒鳴り散らすかの如くAに
罵声を浴びせた。

おかげで彼女の目は大きく見開かれている。

「少し考えれば分からぬか。
　例のあの人がが再び力をつける日も目前だと
　いうことなのだぞ。
　もし復活すれば私は向こう側に行かなければ
　ならない。
　これからは何をしていても、
　常に誰かから見張られていると思え。
　この家からのこのことお前が出てきたなどと
　周りの奴らに知れればひとたまりもない。
　お前が私の仲間から拐われても痛ぶられても、
　殺されても、私は助けることができない。」

目に力を込めてそう言うスネイプに、
Aは只々頷くだけだった。

「警戒を強めろ。
　杖も手放すな、じきに戦争が始まる。」

『ごめんセブ、』

彼女が言い終わる前に彼は目の前から消えた。

昨日とは状況も彼の態度も一変し、
全く心が追いつかなかった。

急いで彼女も寝室から杖と鞄を持ち出し
城へと向かう。

暫く振りのホグワーツ魔法魔術学校。

校長を探す中走って大広間までたどり着けばそこには
青白く光る大きなゴブレットが置いてあった。

彼女以外この大きな空間に他には誰もおらず、
惹きつけられるようにその光へと足が向かった。

『なにこれ、、』

「これはのう、」

『わ！校長いつの間に！』

ゴブレットに見惚れていると、音もなく現れた
ダンブルドアが髭を触りながら横に立っていた。

「今年は客人が増えるぞう。
　ここに名前を入れる生徒の誰かが
　輝かしい栄光を手に入れるのじゃ。」

毎度のことだがAにはその言葉の意味が
さっぱり分からなかった。

いつだって曖昧かつ抽象的にしか教えてくれない
校長のことだ。

『そうですか。
　楽しみですね。』

そう適当に返すと
それはそれで彼も不満そうな顔をする。