My Lord.6 (ページ6)

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かくかくしかじかありまして、(←)
昼過ぎからマグルの街に買い物に出た二人。

これじゃないあれじゃないと言い合いながらも
無事にAの新しい腕時計を買ってもらい、
美味しいと話題のステーキ屋に入った。

『全部美味しそうね。』

注文を済ませてメインが来るのを待っていると、
スネイプは当然眉間の皺をこれでもかと深く刻み
下を向いた。

テーブルに乗せられた左腕を強く握っている。

『どうしたのセブルス？大丈夫？』

「Aすまないが家に帰るぞ。」

『え、だってこれから来るのに。』

スネイプは彼女の腕をを引き勢いよく店を出た。

『ねぇ、まっ』

驚くマグルの群れを掻き分け
人気のない暗い路地に入れば姿現しをする。

一瞬で彼の自宅のリビングに落とされたかと思えば
彼は目の前におらず、彼女一人が荒く呼吸を
する音だけが響いていた。

『どこ、、、セブ、、、。』

心配で食欲も消え去った。

只々彼の帰りを待った。

しかし虚しくも時間だけが過ぎて行き、
仕方なく彼女が寝室に向かおうとした時に
窓の外に一羽のフクロウが止まった。

コンコンと窓を叩くその嘴には一通の手紙が。

『ありがとう。お疲れ様。』

労いの言葉とともに軽く頭を撫でてやれば
フクロウは満足そうに飛び立った。

宛名を見ればAの名が書いてあり、
裏にはアルバスと書いてある。

彼女がここにいることもあの長老には
全てお見通しだ。

城に帰ったらどう弁解しようかと考えが巡ったが
校長のことだ。
彼女ががどこにいるかなど関係なく
手紙を送ってきたのには相当な理由があるのだろう。

その手紙を開けて彼女は驚きを隠せなかった。

先程クィディッチのワールドカップに死喰人の集団が
現れたというのだ。

詳しくは明日の新聞で取り上げられるそうだが
夜空にモースモードルの髑髏蛇が
打ち上げられていたとのこと。

魔法省がすぐに駆けつけ捜査に乗り出しているものの
犯人の確かな証拠は掴めていないそうだ。

『はぁ、、、。』

やっと掴んだ幸せが崩れ去ってしまいそうで
怖かった。

きっと彼はあの時確かに腕に痛みを
感じていたはずだ。

招集されるとなると、焼かれるように印が
熱くなるのだと前に言っていた。

結局その晩彼は戻ることもなく、
Aは眠れない夜を過ごした。

静かに迫り寄る闇の復活に怯えていた。