My Lord.6 (ページ34)

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ダンブルドアは彼女が落ち着くよう
ミルクティーを飲ませ、
そして覚えている限りを話してくれと促した。

『ハリーとセドリックが現れた時、
　青く光る何かを持っていました。
　きっとそれでやって来て、そしたらすぐに
　ワームテールが洞穴のような所から現れて、
　死の呪文を放ちました。』

「そこにはその3人だけじゃったかの？」

『いや、あと一人。
　赤ちゃんみたいに小さかったけど、
　ワームテールの腕に抱かれていたのは、』

再びガタガタと震え出す彼女を見て
校長はこれ以上負担をかけれまいと思った。

「もうよい、分かった。
　君が見たのは確かに奴だったのじゃな。」

『あ、あれはただの夢ですよね？』

「そうかもしれぬな。」

しかしその長老の顔には安堵の色など一切無く
必死で考えを巡らせているようだった。

『明日の試合は中止にして下さい！！！』

泣きながら叫ぶ彼女を見ても尚
ダンブルドアは決めかねているように見えた。

顎髭を触りながら黙りこくっている。

『理由が必要ですか？
　きっとあなたもこの夢がただの
　思い過ごしだなんて思ってないんでしょう！
　彼らを見捨てないで！！！
　あの場所に行かせないでよ！！！』

「A、、。」

『絶対に、絶対に中止してください。』

彼女の必死の訴えすら届いていないように見えた。

これではまるでただを捏ねる子供に付き合う大人だ。

「わし一人の判断でよければすぐにでも中止に
　するじゃろう。
　ただの、一人の教師が見た夢の話だけで魔法省の
　人間を納得させられるかと言えばそう簡単には
　いかんのじゃ。
　それに君が仮に予知夢の使い人だとしたら
　その事実を周知のものにするのは危険すぎる。」

『じゃあどうするんですか。
　規則に従ってセドリックを殺すんですか。
　もしかしたらハリーだって』

「A」

彼女はもうなにも信じられなかった。

絶大な信頼を置いているはずのこの男にさえ
憤りを通り越して呆れかけていた。

『あなた達が見殺しにすると言うのならば、
　私は自分で未来を変えて見せますよ。
　それに、裏切り者は一番近くにいるかも
　しれませんよ校長。
　昔からの仲というだけで簡単に奴の口車に
　乗せられないで下さいね。』

彼女は足を引き摺るフリをしたかと思えば
足早に校長室から立ち去った。

明日中に試合の取りやめが決定されるよう
あとは祈るしかなかった。