My Lord.6 (ページ32)

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『あれ大臣、また髪の毛が薄くな

“バシッ！” “バシッ！”

『いーっ』

真っ黒蝙蝠と緑のローブ姿の魔女が
両側から彼女の頭めがけて拳を振り下ろした。

後ろの3人など目に入らないのか、
ダンブルドアに変わりファッジは笑顔で話し始めた。

「ホグワーツ魔法魔術学校の諸君、並びに
　各校の輝かしい代表団の皆さんごきげんよう。
　校長も言った通り、発表がある。」

何が始まるのかとザワザワし出す広間。

大臣は平然と説明を続ける。

「ここまでの三大魔法学校対抗試合では
　各選手が大いに力を発揮してくれた。
　しかし生徒諸君の耳には既に良くないニュースが
　届いていることだろう。
　そこで魔法省と学校代表者の決議の末、第三の
　課題は2日後に執り行われる運びとなった。」

「今日終わったばかりだぞ！！」

「そんなの無茶苦茶だ！！」

「何かの陰謀だろ！！！」

本来数週間先に行われるはずの試合が急に迫り、
選手やその取り巻きたちが不満の声を上げた。

『聞いてないんだけど、でしょ？』

「え、えぇ。」

「全く理解に苦しむ。」

「我々ですら聞いてないぞ！」

「きちんと説明を！」

教授席からも心配の声が続々と上がった。

非難轟々の中、ダンブルドアが首に杖を当て
響く声で一帯をまとめる。

「皆の言いたいことはよーく分かる。
　しかしこれは決定事項なのじゃ。
　安全にこの大会を終えるため多くの意見が
　交わされた。
　これが最良の決断である。」

Aは大声に顔を顰めながらマッドアイを見た。

素知らぬ顔であの液体を飲み干し、ガツガツと
杖をつきながら演台までやってきた。

「いいな！校長の言った通りだ！
　代表者諸君、最後の課題のヒントはない！
　心と感覚を研ぎ澄ませ。死にたくなければな。」

そのまま義肢だらけの大男は裏手から出て行った。

結局不穏な空気を残したままこの場は
解散となり、生徒が部屋に戻ると改めて校長から
職員に説明が為された。

それでも一方的な決断に不満の声が上がる。

しかし一度決めた以上校長が判断を覆すことはない。

『本当に大丈夫なんですよね。』

「万一でも皆に危険が及ばぬよう、
　策は講じてある。」

『信じますよ、その言葉。』

相変わらず読めない表情でダンブルドアは頷いた。

Aはベッドに戻ると再び
ムーディーについて考えていた。

奴は何かを隠している。

しかし解決の糸口は見えず、気づいたら眠っていた。