My Lord.6 (ページ21)

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「先生と話して元気出ました。
　ありがとうございます。」

『それは良かったわ。
　あなたは選ばれたのよ、自信持ってね。』

二人ともベンチを立ち、
別れる頃には彼女はにこやかな表情をしていた。

「先生はスネイプ先生と踊るんですよね？」

当たり前のようにそう聞く彼女にAは固まる。

『あ、いや。』

「え！？違う人なんですか？」

『そもそも彼と踊るなんて話一切出てないけど。』

「てっきりもう決まってるかと。
　生徒も皆そう思ってますし。」

キョトンとするハーマイオニーにAは
いやいや待って、と否定する。

『私、踊らないつもりなの。
　彼は誰かと踊るのかもしれないけど、
　よく分からないわ。』

「こんな綺麗なA先生が踊らないなんて！
　絶対にダメです！！
　私たち楽しみにしてたんですよ、先生が
　どんなドレス着るのか！！」

『あー、、ゴメンね。
　ていうか私とセブルスがセットみたいに
　思われてるのも大分誤解なんだけど。』

申し訳なさそうに謝る彼女にも目の前の女生徒は
一切動じず、気迫のこもった言葉を残して去る。

「ロンがアホ男なら、スネイプ先生は
　“大アホ男”ですね！！！！」

『ぉ、ぉぅ、、。ロン、、、。
　スネ、、、、大アホ、、、、、。』

自慢の髪を振り乱して去っていくハーマイオニーの
背中を見ながらAはこの場にスネイプが
居合わせず心底良かったと思っていた。

明日には獅子寮の砂時計が空になっていて
その理由が彼女だと分かったら城中大騒動、
さらに校長に原因を追及されることになったらなんて
考えただけで身の毛もよだつ。

ひとまず舞踏会が無事に終わってから
スネイプと仲直りしようと心に決めた。

まだ父からの手紙の返事も届いていないし
何も進展のないまま彼と話すことはしたくなかった。

どうせなら一緒に踊ってみたかったが彼の事だ、
人前で踊るだなんて絶対にプライドが許さない。

『いいの、いいの。』

踊らなきゃ死ぬわけでもない、とりあえず今は
目の前の仕事に集中することにした。

クリスマス前に親睦を深めているのであろうか
廊下を歩くカップル達を尻目にAは
腕まくりをして部屋へと帰っていく。

『いいかリア充ども、私が最高のパーティーを
　作り上げてやろうではないか。』