My Lord.6 (ページ18)

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翌日彼女はフクロウ小屋に来ていた。

父親へマッドアイについて尋ねる手紙を送るためだ。

どんな人物か探るためには魔法省勤務の父に
聞くのが一番だと思った。

彼女は自分のフクロウを持っていないため
近くにいたコノハズクに手紙を咥えさせた。

『いい子ね、宜しく。』

小柄ながらもオレンジ色の瞳をしたそれは
勢いよく飛び立ち、雪景色の中を勇猛に舞う。

うぅ寒い、と身震いをさせ校内へと戻れば
早速浮き足立った生徒達があちこちでダンスの
相手を申し込んでいる。

『今時の子って随分と積極的なのね。』

感心していると緑色のローブを
着た3人組が彼女に近づいてきた。

「こんにちは先生。」

『あらマルフォイ君。
　あなたから話しかけてくるなんて珍しい。』

「昨日の説明の時いらっしゃらなかったので
　どうしたのかと思って。」

Aは獅子寮のダンスパーティー説明会にこそ
期せずして参加したものの、スネイプが監督する
蛇寮の説明時には立ち合わなかった。

というのもパーティーについて前もって知っていた
はずの彼から何の知らせもなく、それ以前に
昨日の彼の態度に腹が立ちすぎていて行く気に
なれなかったからだ。

『いやちょっと野暮用があってね。
　教授、何て言ってた？踊ってた？』

その問いには横にいた丸っこいクラッブが
スネイプの真似をしながら低い声で答えた。

「なんとも気高い諸君のことだ。
　これくらいの作法は弁えておろう。
　たかが社交の場、間違っても恋愛などという
　馬鹿げた妄想に惑わされぬよう留意すること。」

「それだけ言って出て行かれましたけど。」

『ふっ、凄く似てるじゃん、面白い。』

吹き出す彼女の傍、
マルフォイがキリッとした表情で言う。

「先生はもうお相手が決まっているんですか？
　教師もみんな踊ると伺いました。」

『あ、そのこと？
　それなら多分踊らないわ私。』

「どうして？」

Aは目を伏せがちに笑った。

『助教授ってのはね、雑務を任される立場なのよ。
　きっと当日も裏方で終わるわ。』

「そうですか、残念。
　僕が先生と踊ろうと思ったのに。
　僕があなたの上司ならただの都合いい人に
　させない。綺麗なドレス着せて一緒に踊るよ。」

そう目線を合わせて微笑む彼はとても14歳とは
思えぬ風格で、グッと心を掴まれた。

『あ、ありがとね。』

しどろもどろになりながらもそう返事をすれば
彼は取り巻きを引き連れて去っていった。