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「お前は、何でここに。」
グリムのような黒い犬がまず話す。
Aには彼が誰なのかすぐ分かった。
最近のアニメーガス練習も佳境に入り、
いつ修得してもおかしくないところまで彼は
来ていたのだ。
念じるとたまに黒い尻尾が生えていた。
今までの努力が実を結んだのだろう、
黒犬となったシリウスがAを見つめる。
Aが何か言おうとする前に
狼がもう待てないというように先に口を開く。
「いや待ってくれ。
君たちは、その、君たちだよね。」
「あぁそうだ。
それに名前はもう隠さなくていい、
俺のことはもうこの猫にバレてるからな。
シリウス、ジェームズ、ピーターだ。」
シリウスは名前のとおりに雄鹿とその肩に乗る
小さなネズミを見た。
「どうして、、、、。」
そこで三人は、なぜアニメーガスに
なろうと思ったのかを話し始めた。
代わる代わる話している四人のなかの狼に
Aは焦点を合わせる。
(となると彼は、)
「なぁリーマス、僕たちが君を見捨てるわけ
ないじゃないか！ 親友なのに！
今度からこうして毎回満月の夜は一緒さ。」
ポッターのその言葉にルーピンは狼狽える。
「てっきり僕は、君たちが僕の本当の姿を
知ったら逃げて行くと思ったんだ。
狼人間は世間から嫌われている。
僕は怖かったんだ、友を失うのが、、。」
「馬鹿だなぁ、全く無駄な心配だ。
それにお前の本当の姿は狼なんかじゃなくて
リーマスだろ。」
シリウスがなだめる。
「で、でもダメだよ！
僕は君たちを傷つけてしまうかもしれない！
自分のことを制御できないかもしれないんだ！
そんな危険なことに巻き込みたくないよ。」
「その時は力ずくで俺たちが抑えるから
心配するな。」
「そうさ、君を一人にはしない。」
「もちろん僕もついてるよっ。」
そんな言葉にルーピンは心を落ち着かせていく。
シリウスがアニメーガスを習いたいと言った
訳がわかり、そして四人の話を聞き
なんて素敵な友情物語なんだと感心していた
Aは、いつの間にかみんなの視線が自分に
集中していることに気付いた。
ポッターが口を開く。
「ところで君は。」
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作者名：maya.t | 作成日時：2020年11月19日 23時
