My Lord.2 (ページ30)

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奥でシリウスが驚きの声を上げるのも
見向きもせず真っ直ぐにポッターを睨みつける。

『従わなければお前を撃つ。』

「はっ、君にそんなことできるのk...

『エクスペリアームス！』

Aの躊躇ない攻撃に
勢いよくポッターが吹っ飛ぶ。

周りの女生徒からは軽く悲鳴が聞こえた。

『モリアーレ。』

ポッターの集中力が切れたことでスネイプは
今日何度目かの地面に叩きつけられそうになったが
その瞬間Aが出した衝撃緩和呪文により
優しく地面に降り立った。

呻きながら立ち上がろうとするポッターに
急いで3人の仲間が駆け寄り手助けに入る。

Aの方を睨みながらシリウスが口を開く。

「なんてことするんだ！！」

『その言葉そっくり貴方たちに返すわ。
　恥を知りなさい。』

「お前もスニベルスと一緒にいて
　ついに悪の道に堕ちたか。
　お前だけでも救いたかったが残念だよ。」

『さっきエバンズさんも言ってたけど
　寄ってたかって攻撃する貴方たちの方が
　よっぽど悪じゃない。
　一人じゃどうせ何にも出来ないんでしょう。』

「何を？」

さすがに頭にきたのかシリウスが一歩前に出る。

ちょ、ちょっと、と後ろからリーマスが
彼を止めた。

そうこうしている間にAはスネイプを
抱き起こし、頬についた泥を払ってあげる。

彼は先程のエバンズからの言葉のせいもあるのか
かなり疲れてぐったりしている様子だった。

Aがこうして間に入りポッター達を
制する姿も頭に入ってきてないように見える。

まだ背中で何かグチグチ言っているポッターや
シリウスを無視して彼を支えながら歩き出す。

そして去り際に振り向き一言告げた。

『さようなら。』

再び前に向き直るとき、目の端に苦虫を
噛み潰したような顔のシリウスと
絶望の色を浮かべたリーマスを捕らえた。