My Lord.2 (ページ29)

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Aはまた立ち止まり、
人だかりから一歩引いた所で
様子を見るしかなかった。

「彼が何をしたっていうの？
　もうかまわないでよ。」

怒りを露わにするエバンズに対し
ポッターは尚もふざけながらスネイプを
蔑むような言葉をぶつける。

そしてあろうことか、彼はスネイプのことを
逆さに宙吊りにしてみせた。

スネイプのローブが重力と共に垂れ下がり
彼のひょろ長い足と灰色のパンツが剥き出しになる。

そして周りの取り巻きから笑いが聴こえてくる。

中心で、一際大きな声で笑うシリウス。

「やめなさいって言ってるでしょ！！！」

エバンズの声にポッターは杖を下ろす。
それと同時にスネイプも地面へ叩きつけられる。

「もう彼に関わらないで。」

エバンズはついに杖を取り出し警告した。

ポッターは彼女の後ろの方で肩で息をしている
スネイプに向かい話しかけた。

「スニベルス、エバンズが居合わせて
　ラッキーだったな。」

「あんな“穢れた血”の助けなど必要ない！」

一瞬、そこにいる者たちの時が止まった。

これ以上はない侮辱の言葉を受けたエバンズは
真っ直ぐにスネイプの方を向き、冷たい声で言う。

「分かったわ。
　これからは貴方の邪魔をしないわ、
　“スニベルス”。
　それにパンツは洗濯した方がいいわね。」

それからポッターとまた数回会話を交わし
ポッターに対しても怒りをぶつけたエバンズは
踵を返して城へと戻っていく。

エバンズに取り合ってもらえなかったポッターは
さらにつまらないという顔をして、
その鬱憤をまたスネイプにぶつけようとした。

まだ苦しそうにするスネイプを再び
逆さ吊りする。

「誰か、僕がスニベリーのパンツを脱がせるのを
　見たいやつはいるか？」

その狂気じみた言葉に周りは囃し立てる。

ポッターの横に立つシリウスやペティグリューは
スネイプを見上げて笑っている。

一歩後ろでリーマスもぎこちなく笑う様子が見える。

ついに怒りが爆発したAは、
昼食用に持ってきたバスケットも放り投げて杖を出し
円を描くように取り巻いた生徒たちを呪文で
突き飛ばしながら中心へと入っていった。

そして真っ直ぐにポッターに杖を向ける。

『彼を降ろせ。』

「おやおや、小さなお嬢さん。
　君は確かシリウスのガールフレンドだったかな？」

『こんな奴友達でもない。
　ましてガールフレンドなんて吐き気がするわ。』

「お前、、、！」